一般的に足は3点支持で立つのが良いと言われていますが、普通に立つと足関節は中間位ではなく、90°屈曲(背屈)した状態、伸展(底屈)制限された状態になり、膝・股関節も伸ばしにくくなり、脚をきちんと伸ばして立つことはできません。
脚を伸ばして立つためには3点支持ではなく、母趾-母趾球の1点支持(左右の2点支持)が重要です。
母趾球は小趾球と比べるとかなり大きく、母趾球の方がつま先の先端に位置しています。
このことは母趾-母趾球1点で支持できる強さを持っている、支えるには都合の良い構造をしています。
母趾-母趾球の意識は立つためだけでなく、歩く時にも重要です。
歩く時の下肢(脚)の動きは、股関節主導(伸展)ですが、下肢の伸展動作の最後の局面は、足関節(足首)を伸ばすのではなく、踵を上げる(浮く)→体重がつま先に乗る→足趾(足の指)が伸展する→足趾が屈曲(曲がる)する→つま先が地面から離れていくという動きになります。
足の指の中で伸びる動きができるのは親指です。他の4本は曲げることは簡単にできますが、伸ばそうとすると力がいります。
一般的につま先で地面を後方に押すから前に進めると言われますが、足の指で地面を押すのではなく、重心移動によってつま先で蹴る・押す動きが起きるのです。
イスから立ち上がる時にも、体重を母趾・母趾球へ移動することによって楽に立ち上がることができます。
スムーズに立てない、立ち上がろうとすると腰や膝が痛くなるという人に多く見られるのが、力に頼った立ち上がり方です。
地面をしっかり踏んで、太ももの力で上体を持ち上げようとしてもスムーズに立ち上がることはできません。
筋力がある時にはこのように筋力に頼った立ち上がり方でもなんとか立つことはできますが、筋力が低下してくると立ち上がれなくなってしまいます。
しかし、これは筋力が低下したからではなく、スムーズに立ち上がれるようなやり方でやっていなかっただけです。
座った時には、お尻で頭・上肢・体幹の重さを支えています。
それを左右の母趾・母趾球に移動すると、自然にお尻がイスから浮き、立ち上がることができます。
母趾-母趾球は立つ、立ち上がる、歩くといった日常生活動作をスムーズにするための鍵となってきます。
