痛み・不調を根本から直して治す

○痛いところが痛みの原因とは限らない

肩が凝っていれば首筋、腰が痛ければ腰、膝が痛ければ太ももをマッサージしたりストレッチングで伸ばしたり筋肉を鍛えるというのが一般的な考え方です。
しかし、そういった対症療法では根本的な改善は見られません。

私のところに相談に来られる方のほとんどはいろいろ受けたけれど良くならないという方です。
そういった方の姿勢をチェックしてみると、
・どちらか一方の肩、腰が高い
・首が傾いていたり捻れている、体幹も捻じれている
・膝のお皿が内側や外側を向いていてO脚、X脚になっている
・足のつま先も外や内を向きすぎている
など体のバランスが崩れています。

筋肉を触ってみても痛みや問題が起きている部分の筋肉は確かに緊張で硬くなっていますが全身の他の部分でも筋肉の緊張が見つかります。

そんな状態なのに痛みや問題が起きている部分の筋肉だけをゆるめても他の部分の緊張が同じようにゆるんでいなければ問題は解決されません。

体は繋がっていて、肩や腰、膝といった部分に痛みが起きているとしてもそれは“全体のバランスが崩れた結果”としてそこに一番大きな問題が起きているに過ぎません。

痛みや不調を改善するために必要なのは根本的な改善です。

それにはどうして肩こりが起きたのか、腰が痛くなったのか、膝が痛くなったのか、その原因を探し出し、それを解決しないと痛みや不調は改善されません。

痛みや不調に対する私の基本的な考え方は、痛みや不調が起きているところを直すのではなく、全体・全身をリラックスした状態にする、ノーマルな状態にするということです。
痛みや不調があるということは体はノーマルな状態にないと考えられます。
だから、アブノーマルな状態をノーマルな状態に戻してあげれば痛みや不調は解消されるのではないかと考えています。

一般の方の場合、ノーマルな状態から崩れてしまっている原因のほとんどが日常生活の中に潜んでいます。
本人にとっては取るに足らない些細なことでもそれをずっと繰り返していれば脳は姿勢や体のバランスをそれが最も効率良くできるように体の状態を適応させようとします。
自然な、無理のない体の使い方であれば問題は出ないはずですが、立ち姿勢、座り姿勢、歩き方、椅子の座る・立つ、階段の昇り降りを誰かから教わることはありません。
オリジナルで覚えます。それが「癖」というものです。

その癖を直して本来の自然な状態に回復させることが根本的な解決になってきます。
全身の筋肉の緊張をゆるめて緊張度のバランスを取ることもそうですし、歩き方、しゃがんで立ち上がる、階段の昇り降りといった日常生活動作をスムーズに行うためのやり方・動作の手順を覚えることなど問題の原因が違えば問題の解決法も様々です。

相談に来られる方の多くがトレーニングが終わった後には体が楽になる、軽くなる、動かしやすくなる、スッキリしたり爽快感を感じています。