体幹トレーニングって何なのか?

最近はいろいろなところで『体幹』という言葉を目にします。
姿勢改善、腰痛の改善、競技パフォーマンスアップまで体幹を鍛えておけば万事O.Kというイメージが強いですが、目的に合わせた方法でトレーニングしないと思ったような効果は出ません。

体幹に明確な定義はありません。
ということは、指導する人の考え方次第でいろいろな考え方をすることができます。
腹背筋を体幹と考えるケースが多いですが、個人的には首から骨盤の仙腸関節までを体幹と考えています。
骨盤の傾きが頭の位置に影響を及ぼすこともありますので単純に腹背筋だけで姿勢は作られないのでそう考えます。

一般の人に必要な体幹は良い姿勢を維持する『筋力』と脊柱の『柔軟性』です。
そのどちらもがあって自然な良い姿勢が維持できます。
猫背や腰の痛みに対していくら筋力を高めても問題が改善しないのは身体のバランスや柔軟性という問題がクリアできていないからです。

競技パフォーマンスにしても体幹だけで何かをするような競技はほとんどありません。
マラソン、水泳、野球にゴルフ、テニス・・・どの競技を見ても圧倒的に仕事をするのは“手脚”です。
全身の繋がりの中で体幹が使えて初めて鍛えた体幹が役に立つと言うことができます。

本やネットで紹介されている体幹トレーニングのエクササイズを見てみるとうつ伏せになって両手両足をついたり、横向きで姿勢を保持するようなエクササイズです。
強度も自分の体重だけで1分くらいを3セット行うといった程度です。
これで筋力を高められると思われがちですが、強度が低いため筋力アップは期待できません。
ですが、意味がないわけではありません。
じっと姿勢を保持することで『腹背筋を固定する意識を高める』という意味では効果的なエクササイズになります。

体幹の筋力、筋量をアップさせたいならやはり高負荷でのトレーニングが効果的になってきます。
回数としては8~10回くらいしか続けられないくらいの強度になります。

一般の人に必要な体幹の筋力を高めるエクササイズとしては、スクワット、デッドリフトのような立った姿勢で全身を一緒に使うようなものがお勧めです。
実際に猫背や腰痛でお悩みの人に対してゆがみやバランスの修正をした後に姿勢を保持するための筋力を高める目的としてスクワットも高強度で行っていただきますが、筋力だけではなく身体のバランスがさらに良くなったり筋肉の柔軟性も高まって問題の改善が見られます。

体幹を鍛えることはもちろん大切なことですが、まずはどういった筋力が必要なのかよく考えて、目的に合った適切な方法でトレーニングするということがあって初めて効果を発揮してくれます。

コメントを残す