姿勢を良くするために腹筋を鍛える、お腹を引き締めるために腹筋を鍛える、腰痛を治すために腹筋を鍛える、いろんな目的で腹筋を鍛えることが言われます。
鍛えるとは、「硬く強くする」ということですが、硬い筋肉をつくることが何の役に立つのか、逆に緩んでいる腹筋は役に立たないのでしょうか?
問題は腹筋の役割とは何なのかということです。
腹筋と言われる部分は腹腔を覆う筋肉群で、腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋があり、それぞれ役割が違います。
腹筋群の役割は、基本的に臓器・器官の保護です。
骨格がなく、空間の腔の中に臓器・器官があるので生命維持から考えると保護する必要があります。
その保護するものを硬くするのか・柔らかい弾力性のあるものにするのか。
硬いものにした方が護るには良いように思ってしまいますが、硬くすると動きの自由度は下がります。
からだを曲げたり伸ばしたり、捻ったりもあまりできなくなります。
また、内側の横隔膜が十分に動けなくなると呼吸も十分にできなくなってしまいます。
そういったことから考えると腹部には自由度が必要になってきます。
筋肉を鍛える、つまり硬くすることは筋肉の働きも制限されてしまいます。
筋肉の大事な働きである筋ポンプの機能も制限してしまいます。
全身の組織に栄養・酸素をきちんと供給するには筋ポンプは欠かせません。
体幹と同じように骨格を硬いもので覆う・包むことはヒトのからだの動き・働き・機能を制限するだけでなく、内側の臓器・器官の働き・機能も制限することになります。
硬い腹筋をつくるという話にはならないということです。
腹筋や背筋を鍛える・硬く強くすることは、かえってからだのバランスを崩してしまいます。二本脚で立つヒトにとっては腹筋と背筋の筋肉の緊張のバランスが取れていることが重要なのです。
バランスというのは50:50の緊張のことです。
バランスが取れていればきちんと二本脚で立てるはずで、筋力の問題・鍛える・硬く強くするという問題ではないことがわかります。
なんでも筋力を高めればという発想ではなく、どんな時でもバランスが取れていること、強さではなく50:50の緊張のバランスが取れていることが大事なのです。
