巷の「運動=歩くこと」について思うこと

歩くことを勧める・勧められる場面を目にしたり、耳にします。
しかし、何のために歩くのかという目的がなかったり、目的とやっていることが合っていなかったりすることが多い印象です。
歩いて脚の筋肉を鍛えると言われることが多いですが、普通に歩くことは歩くための筋肉を維持することはできるでしょうが、筋肉を大きくすることは難しいでしょう。
筋肉は刺激に対して反応します。大きくするには適切な強度設定が必要です。
何十分も歩き続けられるような軽い強度では脚の筋肉を大きくするには不適切です。
歩く速度を変えるなどで強度を変えることはできます。

それよりももっと大事なことは、歩く以前のことです。
そもそも歩けるからだの条件をきちんと整えることです。
下肢の問題(股関節・膝の痛みなど)を抱えている方をたくさん見てきました。
その中には歩くことが原因で膝を痛めてしまったケースもありました。
歩くことは良いことのように思いますが、あくまできちんと歩けるからだの条件が整っている、適切な歩き方ができる場合の話で、条件が整っていなければ歩くことがからだを痛めることになってしまいます。

歩けるからだであることとして大事なのがきちんと立てることです。
歩いてからだを痛めた人に多いのが猫背や反り腰、O脚やX脚のような全身の傾きや捻じれがある状態で歩いていた人です。
きちんと立てないのにきちんと歩けるはずがありません。
崩れたからだで歩くことで崩れたからだを身につけてしまい、それが膝や股関節などからだの問題を起こす、自らからだを痛めてしまったのです。

歩くことが健康なのではなく、健康なからだだから歩ける、日常生活が問題なくできると考えることが大事なのではないでしょうか。

健康なからだである条件は、
○皮膚・筋膜・筋肉が柔らかく、弾力性があり、復元力がある
○神経がきちんと通っている
○血液、リンパといった体液がきちんと循環している
○十分な呼吸ができている
○正常な体温が維持できている(36.5℃)
○自律神経のバランスが取れている
ことです。

からだに問題が起きた方も健康なからだを取り戻せば痛みは改善されています。
きちんと立てるようになることで歩き方も適切な歩きができるようになっています。
適切な歩きで歩いていてどこかが痛くなったという話は聞かなくなりました。

歩くことが良いことのように言われますが、からだにとってマイナスに働くこともある、物事には二面性(良い面・悪い面がある)ということを頭に入れておくことです。
そしてなぜ歩かないといけないのか?そもそも自分の目的に対して歩く必要があるのか?ということを改めて考え直してみることも必要なのではないでしょうか。
そうすればわざわざ外を歩かなくても簡単なことで目的を達成することもできます。