#203 動きの見方と教え方について学んできました

今回のテーマは「動きの見方と教え方」

動きと言ってもスローイングやスプリントといったスポーツパフォーマンスから日常動作でよく行うしゃがむ-立つ、歩くまで幅広くありますが結局、良いパフォーマンスの動きは流れるような動きで腕や脚の動きが目立ったりロボットのようなぎこちなさは見られません。
では、その差はどこにあるのか?
やはり基本となるのは中間位・中間姿勢ができているかどうかです。
悪い動きになっている方の座り方、立ち方を見た時に緊張があれば既にバランスは崩れてしまっています。
崩れたからだで動作してスムーズにできるはずありません。
中間位・中間姿勢がとれていれば投げる動作では前方へ移動した時点で投球動作は完了していて腕や脚といった部分の動きが際立つこともありません。
しゃがむ-立つ動作でも脚の曲げ伸ばしのような動きは見られません。
そういう目で問題のある動作を見るとそれまで気づかなかった腕や脚の動きが目立っていたり緊張した硬いからだが動いているように見えてきました。
崩れたからだでパフォーマンスをしていることが原因であれば解決策は中間位・中間姿勢を確保する、させることになります。
それからスキル練習をすればパフォーマンスも上がるはずということです。

そうなると動作の準備としてからだを整えることが重要になります。
準備の大切さは前回の勉強会で感じていたので日頃の指導でも整えることを入れていましたが十分ではありませんでした。
アプローチを行う前にきちんとセッティングできていない状態でからだを動かしていたり動かし方を間違えれば緊張が緩むことはありません。
当たり前のことですが適切にセッティングし適正な動かし方をするとからだの緊張は緩みます。
それは動かすために当てている手のひらでわかります。

今回新たな試みとして骨、筋肉に振動刺激を与えるというものを教わりました。
それぞれの組織に適切な周波数の刺激を与えてみると筋肉の緊張が緩みました。
整えるためにからだを動かす前にこういったもので筋肉の緊張を緩めておくと十分なテクニックではなくてもアプローチの成果が良くなることが期待できます。

からだが整ったら動いていきます。
何度もやっているしゃがむー立つもまだまだ細かな見落としがありました。
座っている時の踵とお尻の距離。
わずかな違いがスムーズに立ち上がれるか、上肢・体幹の緊張に繋がりスムーズに立ち上がれないといった動きの大きな差に出ます。
腕とくるぶしの位置の見ることをアドバイスしていただくとイスの高さや足の位置の適切なセッティングも少し見えてきたように感じました。
また、立ち上がるまでの細かな段階も疎かにするとスムーズな動きに導くことはできません。
骨盤と腰椎の動かし方・サポートの仕方、動きの誘導の仕方など細かなことまで見ないといけないと改めて感じました。

今回、からだを整えるアプローチとしてデッドリフトの動きの考え方、動かし方の見直しを行いました。
今までは下に置いてあるバーベルを持ち上げる-降ろすというイメージでやっていました。
そのため腰が張ったりバーが膝に当たったりしてうまくできている感覚がありませんでした。それもあって要望がない限りクライアントにもやらせていませんでした。
筋肉が張ったりスムーズに動けない原因はデッドリフトとベントオーバーの動かし方の違いにありました。、
全身を使うデッドリフトではバーベルは止まっているのではなく動いていないだけ、からだとバーベルは一緒で上下に移動する(Liftには移動という意味もある)という動きでやります。実際にやってみると今までと全く違う感覚でした。
それなりの重さを使ったのですが繰り返すほどからからだが楽になる感覚がありました。
それまでは体幹・下半身がバラバラに動いている感覚だったのが上体を前に倒したり脚を曲げているという感覚がありましたが、バーベルと一緒に上下に動いている感覚しかありませんでした。
その後歩いたり投げる動作をしてみてもどこかが緊張するような感じもありませんでした。
現在見ている投手も投げる動作はからだが覚えているので今回のデッドリフトをやってもらってからだが整い、その状態でレベルアップすることでまた良いパフォーマンスを発揮できるようなイメージができました。

動作解析についての話題で動きの一部分を変えることはその他の部分を変えてしまいパフォーマンスが低下する危険性がある。
部分を直しても全体は直らないが全体を直せば部分の問題も解決できるという基本的な考え方は動きにも言えると改めて感じました。
動きを変えるにも意識、感覚を変えることが重要だと思いました。
今回は動きがテーマでしたが、動きにおいても中間位・中間姿勢が大事だということを教わり指導でやることもシンプルになった気がします。
そしてもっと中間位・中間姿勢を理解を深めることの重要性も改めて感じました。