投球動作についてーボールの投げ方、スローイング

ボールを投げると肩が痛い、肘が痛いといった相談が寄せられます。
こういった投球障害の原因として投げ方の問題、投げ過ぎ、基礎的な筋力や柔軟性の不足などが考えられます。

投げ過ぎが原因の場合は限界を超えた状態まで追い込まれたということなので休むことで完全に回復することができるはずです。

筋力不足が原因の場合はボールの重さが影響します。
ボールにはある程度重さがあります。その重さがストレスになると考えられます。
ボールを扱える基本的な筋力が求められますのでまだ十分からだが出来上がっていない段階では投球数などもよく考える必要があります。

柔軟性不足の問題も肩や肘の障害を引き起こす可能性があります。
バンザイができない、肩がスムーズに回らない、肩甲骨の動きが悪いといったような状態であれば肘が十分に上がらず、肩や肘に大きなストレスをかけてしまいます。

いろいろな原因が考えられますが、現場で指導しているケースでは投げ方に問題があるものが原因であることがほとんどです。

ボールを投げる、スローイングにも基本動作というものがあります。
ヒトのからだはどのように動く、動かせるかというものが決まっています。
そういった自然な動作が基本動作です。
そこから外れると動かせなかったり動かしにくかったりします。

・軸(支持)脚でバランス良く立つ
まず大事なことは脚を上げて片脚でバランス良く立つことです。
コントロールの悪い投手は片脚で立った時に体重が小指側にかかったり踵にかかったりします。
そうするとからだが二塁方向に傾いたり、後ろに傾いてしまいます。
このように重心がブレてしまうとボールは高めに抜けてしまいます。

また、片脚で立った時に軸脚をピンと伸ばして立つと綺麗に見えますが、これも問題があります。
下半身のエネルギーを十分に使うことができません。
前方へ踏み込んでいく時に軸脚の股関節、膝、足首は少し曲がっていないとプレートを押すことができません。
軸脚を真っ直ぐ伸ばして立つと、前に踏み込む時に脚を曲げてしまいます。
そうすると重心のコントロールが難しくなります。

・前方へ踏み込む
片脚で立つ→踏み込むで投球スピードのほとんど(約60%)が決まるとも言われています。
しかし、余計なことを考える必要はありません。
バランス良く立って前方(投球方向)へ移動するだけです。
その時にプレートを後方に押す力が加われば加速度が生じます。
踏み込んだ脚のつま先は真っ直ぐキャッチャーの方へ向けるのではなく、少し内向きにします。
真っ直ぐにすると体幹を捻る時に膝が割れてしまいます。
少し内向きにすることで膝が割れることもないので体幹を十分に捻ることができます。

踏み込む方向は基本的には軸脚の踵の延長線上です。
平行に踏み込むとバランスが悪くなるのでコントロールに問題が出てしまいます。

・体幹を捻る
ボールは腕で投げるイメージが強いですが、腕や手を意識する必要はありません。
ボールを投げる時には下半身からエネルギーが生まれ、次に体幹の捻りを使います。
その次に肩、肘、手首、指といったように順番で関節を動かしていきますが、それを意識する必要はありません。
体幹が捻りが終わる→肘が前に来る→肘が伸ばされる(手首が前に来る)→手首が曲がる(指が前に来る)といったように連動させ順序よく使うとスムーズな動きになります。
1つ1つの動きを繋いでいけばスピードは加速されますが、うまく連動できずにギクシャクした動き、ぎこちない動きになると減速してしまいボールのスピードにも影響します。
それだけでなく、連動した動きでできないと肩や肘を痛める可能性も出てきてしまいます。

・腕の動かし方
ボールを持った手はリラックスさせておけば自然に肘は上がってきます。
肘や腕をどうすればいいかといった細かなことを考える必要はありません。

柔軟性に問題はないのに肘が上がらないのは、動かし方を考えている、動かし方を誰かからアドバイスされたということがほとんどです。
頭の中で手や肘、腕をどのように動かすかを考えれば筋肉は緊張し、力が入ってしまいます。
緊張、力みは動きにブレーキをかけてしまいますので全身を綺麗に使って投げることはできません。
動きがズレることにもなってしまい、それが肩や肘などに負担をかけてしまう可能性もあります。