肩甲上腕リズムを整えて上肢・肩甲帯・体幹を整える

上腕骨が45°以上外転すると肩甲骨と上腕骨の動きが1:2の割合で動くようになっています。
肩甲骨が30°外転すると、上腕骨は90°外転し、肩甲骨が60°外転すると上腕骨が180°外転することになります。
逆に言えば、上腕骨が90°外転すれば、肩甲骨は30°外転し、上腕骨が180°外転すれば肩甲骨は60°外転します。

つまり、上腕骨を動かすには、肩甲骨の外転がなければ上腕骨は自由に動かせないということです。
上肢を動かすことは、手の指・前腕・上腕骨が先に動いて肩甲骨がついていき、上腕骨と肩甲骨が1:2の関係で動くということです。
上腕骨がある範囲以上に動く・動かそうとすると、肩甲骨の動きが連動し、可動域を広げてくれることになっています。

肩(上腕)の動きが悪いというのは、上腕骨と肩甲骨の連動が悪いということですが、その原因が上腕骨にあるのか肩甲骨にあるのかということになります。
腕(上腕骨)は、前方・後方・側方・上方に動かしたり、回したりできるように関節ができています。
上腕骨と肩甲骨窩の肩甲上腕関節は、ボールとソケットの球関節ですので、構造的に上腕骨の動きを制限するものはありません。

肩関節の動きの問題は、肩甲骨の動きの問題も考えられ、上腕骨を動かす上腕骨に着く筋肉の問題であるとも考えられます。

肩関節は胸郭の肋骨の上に乗っている肩甲骨に上腕骨がぶら下がっているので、肩甲上腕関節の問題と捉えられますが、肩甲骨は固定された関節を作っているのではなく、肩甲骨の前面は胸郭の後面と肩甲胸郭関節という関節を形成しています。
※実際には、関節包や靱帯がないので関節構造にはなっていませんが、胸郭が肋骨の上を滑ることで機能的な関節の役目をしています。

そして、上腕骨と肩甲骨の肩甲上腕関節のリズムの問題があります。
上腕骨と肩甲骨は肩関節を形成しているだけでなく、上腕骨の外転動作では肩甲骨の上方回旋が追随します。
それは上腕骨の外転と肩甲骨の上方回旋が1:2の割合で動くようになっており、上腕骨(腕)が真上まで外転すると、肩甲骨が60°上方回旋します。

このように考えると、肩関節の問題は肩甲骨の動きを良くすることが最初なのか、上腕骨の動きを良くすることが最初なのか、どちらが最初なのかということになります。

上腕骨の外転に働く筋肉は、上腕骨に着く棘上筋と三角筋中部線維であり、肩甲骨の外転に働く筋肉は胸郭の前面と後面で肩甲骨に着く前鋸筋と小胸筋です。
肩甲骨に付く筋肉の方が大きいし、多いので、肩甲骨の動きの方が自由度が少ないと考えられるので、肩甲骨に付く筋肉の方を整えるのが最初になると考えます。

しかし、肩甲骨の外転を自由にするためには、肩甲帯を中間位にして上肢を整えることです。肩甲帯は肩甲骨・鎖骨・上腕骨の関係を整えることになるので、肩甲帯を中間位で動かせば、肩甲骨も上腕骨の動きも良くなるということです。