ヒトは二本脚で立つようになってから、上肢、なかでも手をよく使うようになりました。
手や指先を使う時には肘関節は屈曲(曲げる)した状態で使われ、上肢・腕の根元である肩が使われるようになります。
手をからだの前に持ってくると肩は内旋(内捻り)・内転(脇が閉まる)した状態で腕・肩が使われることになります。
腕を使うというのは肩甲帯を動かすことです。
鎖骨・肩甲骨は肋骨の上に乗っかり、肩甲窩から上腕骨がぶら下がっていますので肩甲帯は体幹と繋がっています。
上肢をあまり動かさない・使い過ぎる・間違った使い方をするといったことは肩甲帯に影響を及ぼします。
手の指、手の使い過ぎは、手首・前腕・肘関節・上腕・肩関節にまで影響します。
基本的に肩関節が内転・内旋する傾向にあるので、腕は捻じれた状態で使っていることになります。
そこまで来ると、肩(三角筋)から首に影響を及ぼします。
また、大胸筋・前鋸筋・肋間筋・外腹斜筋・横隔膜に影響を及ぼし、肺の拡張・収縮(呼吸機能)に影響します。
また、背部の肩甲骨に付着するローテーターカフ・肩甲骨挙筋・菱形筋・大円筋が影響を受け、背部を広く覆って脊柱に付いている僧帽筋・広背筋も影響を受けます。
そして両側の上肢のバランスが崩れると、頸椎・胸椎・腰椎に付着している僧帽筋・広背筋のバランスも崩れ、脊柱に影響が及びます。(捻じれ・傾き)
頸部の影響は、腕・肩の使い方の間違い・使い過ぎ・ほとんど使わないことによります。
腕の使い過ぎは手・手の指の使い過ぎ、手首の使い過ぎ、肘・前腕の使い過ぎ、上腕二頭筋・上腕三頭筋の使い過ぎです。
その腕の使い過ぎによる肩の使い過ぎ、腕・肩の使い過ぎによる大胸筋の使い過ぎ、肩甲帯周囲の使い過ぎ、僧帽筋・広背筋の使い過ぎ、頸部の筋肉の緊張(頸部が引っ張られる)に影響を及ぼします。
腕・肩の使い方の間違い・使い過ぎ・ほとんど使わないことは、前面では首から胸部・肋間・体幹まで、背面では首から僧帽筋・広背筋まで、からだを支える骨盤・下肢を除いて影響を及ぼします。
そしてその骨盤・下肢は、上肢・体幹の影響を受ける、根本的には腕・肩の影響を受けます。
下肢は体幹を支えている骨盤、骨盤を支える二本の脚で構成されています。
股関節・膝関節・下腿・足関節・足部は、股関節・骨盤の状態(捻じれや傾き)の影響を受けます。
支える役目としては骨盤・下肢は体幹・上肢を支えているだけで、体幹が捻じれたり・傾いたりすると、骨盤・下肢もそれに応じて、捻じれたり傾いたりすることになります。
骨盤・下肢は捻じれたり・傾いているものを支えているだけです。
それが股関節・膝関節・足関節の捻じれや傾きになっています。
多くの人は日常生活の中で上肢と下肢の使い方・使われ方のバランスが崩れてしまい、メインで使うようになった上肢の影響が、首や体幹、下肢にまで影響を及ぼしています。
筋肉は使い過ぎてもほとんど使わなくても機能不全を招いてしまいます。
腰痛や膝痛といった問題を抱えている方の多くが痛みはそこに出ていても、上肢の使い方の間違い・使い過ぎ・ほとんど使わないことにより頸部や体幹の崩れを引き起こし、それが体幹を支える腰部や下肢のバランスを崩して痛みが起きていることが多い印象です。
実際、上肢のバランスを整えて捻じれを戻すと体幹や下肢のバランスの崩れも改善されて問題が解決されていますので、上肢の捻じれは全身に影響を及ぼすと考えられます。
