中間位・中間姿勢で“しゃがむ-立ち上がる動作”ができることは、からだが整っている証でもあるといえるくらい大事な動きです。上肢・体幹・下肢を中間位・中間姿勢で動かす必要があるからです。1つの部位の崩れは全身が連動して使えていない・動かしていないことになるので、全身を使って動かすことを覚えれば問題の解決にも繋がると考えることもできます。本来は、動かす・動くとは、全身が動いていることなのです。
下肢は股関節・膝関節・距腿関節・足部と繋がっていて、脚の動きは股関節が中心です。股関節が動くと他の部分も連動して動きます。しゃがむことは地球の中心に引っ張られることなので、本当は自然にしゃがめるというよりも重力で沈み込んでいくはずなのです。しゃがめないのは、足首が硬いからと言われたりもしますが、そうではありません。重力に任せば自然にできる動きです。
重力をきちんと受ければ重みのあるものはすべて鉛直方向に落ちていきます。
下肢に緊張がない状態で重力をきちんと受ければお尻は落ちていきますが、鉛直方向に落ちていかないのは、足首や膝に緊張があり抵抗しているからと考えられます。
足首・膝の動きに緊張があるのは、下肢の屈曲の仕方が不適切で距腿関節・膝関節・股関節の連動がきちんとできていないからと考えられます。
力を抜けば、抵抗しなければ下肢の関節は屈曲して、からだは地面の方へ(地中に引っ張られて)沈んでいくので、まずは重力に身を任せることから始めることになります。スムーズにしゃがむことができることは全身リラックスできている状態と考えられます。
しかし、これが難しい。沈もうと考える、力を抜こうと考えることで脳が動きを制限してしまいます。考えること・意識することが問題です。
うまく沈めないのは、まず下肢だけでなく体幹が中間位・中間姿勢ではなく、崩れてしまっていることが考えられます。
体幹が崩れてしまっていればそれを支える下肢のバランスも崩れてしまいます。
崩れた状態で沈もうとしてもスムーズにはしゃがめません。
体幹を崩しているのは左右の上肢の捻じれなどの崩れの影響ということも考えられます。
まずはきちんと中間位・中間姿勢で立てるように戻すことが先決です。
やり方の問題でうまく沈めない場合も考えられます。
しゃがむ時の手順は足首(距腿関節)が屈曲(背屈)すると、膝関節→股関節の順に屈曲してお尻が下方へ沈んでいき、立ち上がる時は股関節→膝関節→足首(距腿関節)の順に伸展してお尻が上方に持ち上がり中間位・中間姿勢で立った姿勢に戻ります。
また、下肢の使い方を間違えていることも多いと考えられます。うまくいかない人に見られるのが股関節ではなく、足首(距腿関節)を主にして下肢を使ったり膝関節を動かして下肢を動かしていることです。足首(距腿関節)を緩めて、次にしゃがもうとしていることが考えられます。そういった動かし方をすると脛に大きなストレスをかけてしまったり、太ももの前や背中・腰部にも緊張させてしまったりします。
足首(距腿関節)は実際には緩められないので緩めた感覚で良いのです。足首が緩んだという感覚をもてば股関節が緩んでお尻が自然に落ちていきます。股関節から動いていけば、しゃがむ時はお尻が沈んでいくと膝関節は太ももが後ろに倒れて二つ折りに畳むようにして曲がります。立ち上がる時は倒れた太ももが起き上がるようにしてお尻が上がっていくので立ち上がった時に背が伸びたような感覚になります。その時に膝がグッと嵌まるような感覚ではなく、抜けたような感覚があります(そもそも関節を使っている・動かしている感覚が一切ありません)。下肢だけでなく体幹の緊張もなく、しゃがむ-立ち上がる動作で背中や腰部の緊張が緩んで柔らかい・弾力のある・復元力のある筋肉に変わリます。
動かすと膝関節が痛い・股関節が痛いという方にも適切な動き・動かし方でしゃがむ-立ち上がる動作をやってもらうと、きちんと適切にやれば痛みなくやることができます。きちんと適切にしゃがむ-立ち上がる動作ができることはからだが整っている証拠と言えます。
