今回のテーマは「緩める-考え方とその指導」でした。
・整えることが緩めること
まず緩めるということについて。
からだが硬くなっていたり、緊張していると緩めるというアプローチを選択しますが、そもそも「緩める」とはどういうことか?緩めるターゲットは何のか?
など自分なりに言葉にしてみると根本的な考え方の部分が現れてきます。
うまくいかないのはどこかだけをターゲットにしている、他の部分は考えずにアプローチしているからそのような結果になっているということも言える。
そもそも普通の状態で緩める必要はない。
硬いというのは普通の状態ではないので普通の状態に戻すということ。
そうなると緩めるというよりも整えるという言葉の方が適切なのではないだろうか。
整えることが緩めることになります。
からだはいろいろな層でできています。
骨の上には筋肉、筋膜、皮膚の3つの層があります。
普通に戻すということは全ての層を戻すということですから筋肉だけをターゲットにするのは無理があります。
ヒトのからだは動くようにできています。
筋肉、筋膜、皮膚が普通の状態で動かしていけば整う、中間位になるはずです。
硬くなっているところを押したり、鍼を打つと整ったように思うがからだを動かすと崩れてしまうということがよくありますがそれだけでは整えられません。
ヒトは動かすから整うのですが、その動かし方を間違えれば崩れが起きるのも当然の結果です。
・呼吸、心拍、下腿部、足部の状態を見てみる
今回、からだを見る際の新たに呼吸、心拍、下腿部、足部の状態をチェックするというポイントを教わった。
下肢に限らず、からだに痛みや不調などの問題がある人に足先が冷たい、血流が悪いといった人も多い。
血流が悪いというと心臓に問題があるように思ってしまうが心臓は動脈で全身に血液を送っているが、送り返すのは自動ではありません。静脈は筋肉のポンプ機能が必要です。
血流が悪いのは心臓のせいではなく、筋肉のポンプ機能がきちんと働いていないせいで送り返せていないことが問題の原因です。
第二の心臓と言われるふくらはぎの筋肉が良い状態であれば環流も良なり血行の改善やリンパの流れも戻り浮腫みも改善されるなど体液の循環も正常に戻るはずです。
それもからだが整えることに繋がります。
下腿を整えることは血液やリンパの循環を改善するだけでなく、腎臓の刺激という効果もあります。
腎臓が硬くなってくると下がってくる。
そうすると股関節が詰まったり外反母趾になりやすいなど下肢や足部・足趾も崩れてしまいます。
下腿を整えることは下肢、足部・足趾だけでなく、体幹、上肢も整ってくるはずという考え方の元にからだを緩めるアプローチを教わった。
下腿を動かす(足趾、足首、膝、股関節)ことをしてみたり、肝臓、脾臓、腎臓、横行結腸といった詰まりの臓器を刺激すると下肢、体幹だけでなく肩の動きが良くなるなど全身が緩んだ。心拍の打ち方に変化が出たり呼吸もやりやすくなるといった感覚の変化がありました。
・手首、前腕の緊張を緩める
手指をよく使う人に手首や前腕が硬い方が多い。
基本的には肩甲帯のバランスを整えれば上肢の緊張も緩み、前腕・手首の緊張も緩むが手指をよく使う人の場合には下腿の緊張を緩めたり上肢を中間位で動かすといったアプローチをプラスすることが必要。
緊張を緩めるには中間位に戻すことですが、中間位で動かせば緊張も緩んで中間位にしかなりません。
肩甲帯や上肢を動かしてもバランスが整って緊張が緩むはずなのに緩まない、中間位にならないのは中間位で動かしていない。それが原因。
やっている内容の前にそれをどういうポジションでやっているか、やりやすいポジションがあることをきちんと理解しておかなければいけません。
肩の挙上-下制は座位よりも側臥位の方がやりやすい。
こちらで誘導して動かす時に自分がどういう動きをイメージしているかで相手の筋肉を緊張させしまう。
上肢を動かす時に手首、肘、肩を屈曲さえることをイメージするとそれだけで緊張した動きになってしまう。
動きをこちらで規定しない、相手の筋肉の状態を見ながら行きたい方向に行かせてあげる。
揺りながらやってみることも有効。緊張の方向に行こうとすると揺れは止まってしまう。
中間位での動きを繰り返していると脳が動きを理解して余計な力みが抜けてぶらぶらの腕が動いているように動きの見え方が変わってきます。
腕を中間位で動かすことは体幹の筋肉を刺激することにも繋がります。
その時にも言葉がけが大切になってきます。
「伸ばす」という言葉を使うと伸ばし切ろうとして力が入ってしまいます。
伸ばすは完全伸展で動きを止めてしまいます。
大きな動き、速い動きは緊張した動きに繋がります。
言葉の選択、動きのスピードをコントロールする手段としてメトロノームや呼吸のリズムを使うなど指導する側も考えることが必要です。
大きな重りを使わなくても速筋線維がしっかり使われる条件を揃えれば筋肉を大きくすることもできますし、中間位で動かせば嫌な筋肉の疲労は残りません。
そうするとまた勝手に動かし始めます。
動きは一緒でもバリエーションを変えながら繰り返し動かし続け、時間があったら動かすという健康なからだを維持する、からだを整えるための習慣づけにも繋がるようにクライアントを導いてあげることもとても重要です。
新たなからだを整えるための考え方を教わり、またさらにシンプルになったように感じますし、整えるための手の感覚やテクニックの修正ができたことでまた現場での指導での成果も良くなりそうな期待を持つことができました。
