筋トレをしているのに膝痛が全然良くならない。改善するにはどうすればいい?

今回は膝痛の相談。
病院へ行ったが骨、関節に異常は見つからなかった。
医師からは太ももの筋肉を鍛えるように言われて筋トレをやっているがイスに座る-立つの動作の時に膝に痛みを感じるとのこと。

太もも強化のためにやっている筋トレは、
・レッグエクステンション
・ウォーキング
だった。

まず立ち方を見てみると、下半身だけでも
・O脚気味
・膝が曲がってきちんと伸ばせない
・足のアーチの低下
・足の指の崩れ(曲がってきちんと伸ばせない)
といったバランスの崩れが見られた。

上半身では、
・首が前に傾き、捻じれもある
・肩を後ろに引いて腕が体側にくる
・猫背
・反り腰
・肩、腰が左右で高さが違う
・肩甲骨を寄せている、左右で高さが違う
など上肢、肩甲帯、体幹のバランスも崩れてしまっていた。

問題の原因は太ももの筋力低下ではなく、からだのバランスの崩れです。
筋力を強化してもバランスの崩れは戻りません。
問題を解決するには全身のバランスの崩れを戻すことです。
全身のバランスが整えば膝の部分的なバランスの崩れも戻るはずです。

脚にバランスの崩れがあってもその上にある頭・首、上肢、肩甲帯、体幹のバランスを整えることは重要です。
⚪︎首(頭を前後左右に倒す、左右に捻る)
⚪︎肩甲骨の上方回旋
⚪︎肩甲帯の挙上
といった運動で首、上肢、肩甲帯のバランスを整えると体幹の崩れも戻すことができました。

体幹の崩れを戻すだけでも脚のバランスの崩れも改善が見られましたが、十分ではなかったので、
⚪︎股関節の屈曲・伸展、内転、外転運動
⚪︎足の指の曲げ伸ばし
で脚、足部・足趾の緊張をゆるめてバランスの崩れを戻すと膝もきちんと伸ばして立てるようになりました。

イスの座る-立つでのからだの使い方を修正する必要もあります。
トレーニング前は膝の曲げ伸ばしを使っていたために膝の使い過ぎが見られましたので、股関節・膝関節の滑りを感じながら行うと楽にスムーズに立つ・座ることができるようになり膝の痛みを感じることもありませんでした。
脚の筋肉の状態をチェックしてみても太ももの前の筋肉は柔らかく、太ももの後ろ(ハムストリングス)やお尻の筋肉に膨らみが見られました。

膝の痛みを改善するために太ももの前を鍛えるケースが多いですが、脚は股関節・膝・足首という関節が連動するようになっています。
膝に問題がある場合、きちんと脚を伸ばして立てていないことがほとんどです。
きちんと脚を伸ばすためには太ももの前の強化ではなく、太ももの後ろ、お尻といった筋肉との緊張度のバランスに問題がないかをチェックし、50:50で整える必要があります。