#163 身体を整えるトレーニングについて学んできました 25

魚住先生のラボに伺って日頃の自分の指導内容について見直してきました。

・皮膚、筋膜、筋肉の繋がり
まずは皮膚、筋膜、筋肉の繋がりについての考え方に若干の修正がありました。
以前は上の層である筋膜を緩めれば筋肉も緩むと考えてアプローチしていましたが、筋膜は収縮力はなく、筋肉が動くから筋膜が動きます。
ということは、筋肉の状態が筋膜と皮膚の状態を表すということです。筋肉が動くから筋膜も動く、筋肉が硬ければ筋膜も硬くなる。
視点を筋膜を動かすことから筋肉に動かすことへ変えると同じことをやっても結果は全然違ってきます。
目指すポイントは筋肉を緩めることですが、筋肉が緩めば筋膜を緩めることにもなります。
皮膚・筋膜・筋肉n3つを見ないといけません。

・不調は立ち方に出ている
体のどこかに不調がある、痛みがあるという場合、その人の立ち方に不調は出ています。
立っている形が不調を訴えているところと合致することがほとんどです。
見ているものを間違っていれば見えるものも見えず、何をやってみてもうまくいきません。

・首、下肢は自ら硬くなっていない
首や下肢の不調にある場合、その部分にアプローチしても思うように改善が見られないことが多いのは首や下肢が自ら硬くなったり動かなくなっているわけではない。
首や下肢が動かない状況を作ってしまっているのが原因で、それは体幹と上肢に由来していると考えられます。
そうすると首や肩をどうしようかと考えるのではなく、体幹の問題が首や骨盤、下肢に波及していると考えてアプローチするのが有効なのではないかということになってくる。

・呼吸は十分にできているか
なぜ身体に不調が起きるのかということを考えてみると、栄養や酸素がきちんと全身に行き渡っていないからではないかということが想像される。
そうなると呼吸が十分にできているか?という疑問が出てくる。
緊張して崩れてしまっていると十分な呼吸ができない。
呼吸が十分でないと酸素、栄養が足りないので身体の不調が改善されない。
では、なぜ十分な呼吸ができないのか?その原因を考えて改善する必要が出てきますが、そもそも呼吸が十分できている、できていないの判断の基準はなんなのか?
それは胸郭の状態がノーマルかどうか、肋間が動くかどうかです。
肋骨を動かす筋肉は肋間筋です。
肋間筋が働かなければ胸郭は拡張できません。

・なぜ胸郭が広がらないのか
胸郭が十分に広がらない場合は邪魔をしている制限因子を考える必要があります。
肋骨を動かすのは肋間筋ですが肋間筋だけを見ればいいわけではありません。
体幹にはいろいろな筋肉が付いていますし、鎖骨や肩甲骨も付いています。胸郭に付いている筋肉が緩み、鎖骨や肩甲骨が十分に動くようにならないと肋骨は十分には動けません。
それを解決するには筋肉を緩める、深呼吸をする、肩甲帯を動かして呼吸をやりやすくするなどいろいろあります。
絶対にこれをしないといけないというわけではありません。

・筋肉は力を出すことがメインの機能ではない
栄養は血液からダイレクトに細胞に届けられるわけではありません。
その時に必要になるのが筋のポンプ機能です。
運動、体を動かすというと筋肉を収縮させると考えがちですが、健康な身体を作るための運動では筋肉のメインの機能は筋のポンプ、筋肉を動かすことに変わります。

・立ち方の考え方
今まで立つというのは二本脚を伸ばして立つものと考えていましたが、立った時に足首は90°背屈した状態になるので股関節、膝を伸ばすことには無理があります。
下肢は180°伸展させるのではなく、股関節・膝は緩い状態になります。

・歩き方
歩く時の推進力は脚を後方へ送る、股関節の伸展を使うことで生まれますが、歩く時の接地で3点支持でやると股関節の伸展をうまく使えません。
下肢の伸展の連動で考えると足首は底屈させると伸展動作がやりやすくなります。
靴のインソールなどを利用して下肢の伸展の肢位を確保して歩くと脚を後方へ送る動作がやりやすくなり、歩きがスムーズになります。

・なぜ筋肉痛になる?
一般的にはあるエクササイズを行う時には主導筋、拮抗筋の関係を考えます。
働きは違ってもどちらも使うわけですからエクササイズ後に筋肉痛が出るなら両方に出るはずですが、ほとんどがある特定の筋肉だけに筋肉痛が出ます。
その理由は筋肉の使い方の問題です。
多くの人は主導筋がメイン、拮抗筋はサポートという関係で考えて、メインの筋肉の使い過ぎ、同じ筋肉を使い過ぎるからそこにだけ筋肉痛が起きてしまう。
基本的に運動をする時に主導筋、拮抗筋のどちらかが休むことはありません。
緊張の形が違うだけでどちらも動く、そのように考え方、使い方を見直し(主導筋はコンセントリックで拮抗筋はエキセントリックで力を出す)、50:50で使うイメージで動かしてみると筋肉痛も出ませんしどちらの筋肉も膨らんできます。

・萎縮して硬くなった筋肉への刺激
股関節の可動域制限がある方への問題点が見抜けているか、アプローチは適切か、テクニックに問題はないかチェックしてみると立ち方や歩き方などから臀筋の萎縮が問題の原因でした。
そこは自分の見立ても間違っていませんでしたが、アプローチの考え方に問題があり、それが思うような結果にならない理由でした。
萎縮した筋肉を膨らませるには振動刺激や圧刺激が合っています。
それに中間スクワットで下肢の適切な曲げ伸ばしの動きを入力することで臀筋のバランスが整い、股関節の可動域の改善が期待できます。

・体型に筋肉の使い方が表れる
スポーツをしている選手の場合、毎日の練習で筋肉を使っていますので体型に筋肉の使い方が表れます。
スプリンターやランナーでは太ももやふくらはぎの筋肉は大きいのにお尻の筋肉が小さいという体型がよく見られます。
トップレベルのスプリンター、ランナーの場合はお尻の筋肉や腸腰筋が発達しています。
その差は走りの中での脚の使い方の差です。
下肢の伸展の一番大きな出力は股関節です。
太もも、ふくらはぎの筋肉が発達するということは膝や足首を使っているということです。
股関節から足首まで伝わるような使い方に変える必要があります。
また、毎日使っているのに思ったような筋肉の発達が見られない場合も筋肉の使い方の問題で、筋肉を収縮させているために縮んでしまい筋のポンプが働いていないからと考えられます。
こういった場合は毎日家に帰ってからケアをするルーティンを作る必要があります。

きちんと身体を緩めることができないために不調が思ったように改善されないケースで悩んでいたところでしたが日頃の指導を見直すこと、新たな考え方を知ることで良い結果が見られそうなイメージもできました。