投手をやっている方から球速をアップさせるためのトレーニングについての相談が来る。
ウェイトトレーニングをして筋肉量を増やして筋力を高めれば球速も上がると思ってやってみたが思ったような結果にならないというケースが多いようだ。
長距離の走り込みやウェイトトレーニングをすることと球速をアップすることはイコールではない。
どんなトレーニングをするかという前に、速いボールを投げるために何が必要か、どんな条件を満たす必要があるかを考えることだ。
速いボールを投げるために必要な条件として挙げられるには、
・投げ方(体の使い方)が良い
・速筋線維は多いか?(腕を速く振る素養はあるか?)
・力はあるか?
どの条件が達成できていないのかを明確にして、それを達成するということがトレーニングの目的となり、どんなものをどのようにやるかを考えていく。
現在見ている高校生投手は春先は最速が140km/hでしたが、現在は最速142km/h、平均球速138〜139km/hが出るようになりました。
目標の常時140km/h台まであと少しです。
彼の場合は元々腕を速く振ることができる素養(速筋線維が多い)はあった。
投げる動作については中学生の頃から体の使い方のトレーニングをやっていましたので良いフォームで投げられている。
課題はを力(パワー)です。
基本的な体の強さは練習でしっかり作っていった。投げるパワーを高めるために重点的に行ったのがシャドーピッチング。
シャドーピッチングというと一般的にはフォームの修正、体の使い方の確認くらいの軽い運動のイメージですが、投げるパワーを高めるトレーニングにもなる。
パワーは筋力×スピードなのでこの両方の要素を高めることを目指した。
・腕を速く振る(スピード)感覚を身につけるために短いタオルで
・投げるためのパワーをアップさせるために長いタオルで
どちらも振る時の「音」に気をつけてやってもらった。
自宅や練習の合間では腕を速く振る感覚をよくしたいということで短いタオルでのシャドーピッチングに力を入れてやっていたようだ。
腕の振りは以前よりも速くなっているようだ。
しかし、長いタオルでのシャドーピッチングは少なかったようなので力を入れて投げているのに思ったほど球速が出ないという結果になってしまった。
そこで先日のトレーニングではスムーズな流れからの爆発的な力の集積の感覚を良くするためにタオルの重さを変えてシャドーピッチングを行いました。
そうすると力の集積させる感覚が掴めたようだ。
夏の大会まで練習試合など登板機会がまだあるようなので今回のトレーニングで成果が楽しみです。