ランニングフォームの改善は歩き方の改善から

走ると太ももの前やふくらはぎの筋肉が筋肉痛になる、肩が凝る、腰や膝が痛くなるなど市民ランナーの方からいろいろな相談が届きます。

ランニングをすると起きるこういった問題の原因の多くはストレッチングやマッサージで硬くなっている筋肉を解したり、筋トレをしても根本的な解決にはならないケースがほとんどです。
走って起きる問題を解決するには走り方を直すことが必要だと考えます。
ですが、走る時の姿勢や手脚の使い方の指導で走り方を直すのはなかなか難しいことです。

そういったことから、最近は走り方の指導でも、歩き方(スムーズに歩けているか:接地、脚の運び、姿勢)のチェック、体の使い方のトレーニングを行って走り方を直していくことが増えています。

というのも、今まで見てきた走り方に問題がある人は同じ問題が歩き方にも見られるからです。

歩くの延長に走るがあると考えています。
走る動作の問題点は歩く動作にも現れます。

例えば接地の仕方、踵から接地してつま先で地面を蹴って走ろうという意識が強い場合、歩いても同じような接地になっています。

脚の運びでも走る時に脚を一生懸命前に前に動かして走ろうとする意識が強い場合、歩いても脚を一生懸命前に出して歩こうとします。

腕振りも肩が凝る人は肩を緊張させて一生懸命腕を振って歩こうとしたり、肩甲骨を意識したり余計な緊張を作って歩いています。

腰が痛くなる人は良い姿勢をしようと胸を張って背筋を伸ばして歩こうとします。

なので走り方を直すために歩き方から直していくのですが、その前に立ち方に問題がないかもチェックしておきます。

猫背や反り腰、X脚やO脚のような姿勢の崩れや捻じれがあってはスムーズな歩きはできませんので、そういった崩れが見られる場合は全身の筋肉の緊張をゆるめて筋肉の緊張度のバランスを取り戻して姿勢の崩れや体の捻じれは事前に直しておきます。

歩く動作の体の使い方で特に大切にするのが接地と脚の運びです。
接地は「足裏全体で接地するイメージ」で行います。
スピードが上がると足裏全体では着けなくなり、つま先からになりますがあくまでイメージは足裏全体です。そうすると太ももやふくらはぎ、膝に余計な負担をかけることなく歩けます。

脚の運びは「後方へ」となります。
歩く、走るも共通しているには重心を前方へ移動していくことですが、重心を前に進めていこうとするだけだとぎこちない動きになってしまい、ロボットが歩いているような歩き方になってしまいます。
その理由は“推進力がない”からです。
体を前に進めるには推進力が必要ですが体を前にという意識だけではその推進力が生まれません。
推進力を生むのが「後方への脚の運び」、「股関節を伸ばす動き」です。
これによって体を前方へ進められるようになりスムーズに前方へ移動できるようになります。
後方へ行った脚は伸張反射によって自然に前に戻ってきますので前へ持ってくる意識も必要ありません。
後方への脚の運びはゆっくり行います。
早いと脚は後方への移動も少なくなり推進力も小さくなってしまいます。

体が楽に前に進められるようになると腕も自然と前方へ動くようになります。
つまり手脚が勝手に動くということです。
これで省エネで歩けるようになります。

スムーズな歩きができた後に改めて走ってみると楽に体が進むようになります。
歩いている時と同じように「接地は足裏全体で垂直に踏み込むイメージ」、「脚はゆっくり後方へ」でピッチも安定しますし、ストライドも広がるので自然とスピードもアップします。
腕は体の前に抱え込んでおくだけで肘が自然に前に前に動きますので意識的に振る必要もありません。

ランニングフォームの改善を考えている方は歩き方から見直してみてはいかがでしょうか?