パソコン作業や座って行う作業によって首が凝って重だるい感じがするという相談がよくあります。
首はヒトの体の中で一番重い“頭”を支えています。
姿勢の崩れによって頭の位置が自然な位置から外れてしまうと首の筋肉は強く緊張してしまいます。
慢性的な首こりに悩まされているという場合、マッサージやストレッチングでは根本的な解決にはならないことがほとんどです。
いろいろやっても改善が見られないという方の場合にはやはり姿勢を見直してみる必要があると思います。
首こりの原因は首に繋がっている、頭に繋がっている筋肉の緊張です。
首や頭に繋がっている筋肉の緊張をゆるめてあげるのが一番です。
いろいろな筋肉が首にはありますが、首こりのケースでは僧帽筋、肩甲挙筋、脊柱起立筋、胸鎖乳突筋といったところをゆるめてみると良い結果が見られました。
僧帽筋
肩甲挙筋
脊柱起立筋
胸鎖乳突筋
これらの筋肉の緊張をゆるめて肩甲骨の動きはもちろん鎖骨、上腕の動きを良くしてあげることで首はかなり楽になります。
首こりというと肩を上下に動かす運動がよく紹介されますが、筋肉を見てみると肩だけでは動きが小さいですし、肩甲骨ができる動きから考えてみても十分満たすことができません。
腕を動かすような運動も必要です。
実際にやってみたのは体側(体の横)から腕を肩のラインよりも上に挙げるような運動です。
いきなり大きく挙げるのではなく楽に動かせるところからスタートします。
力みなくできるのが肩の高さより低いところであればそこからで構いません。
楽に気持ち良く動かしていると筋肉の緊張がゆるんできます。
そうすると徐々に肩の高さ(90°)くらいまで挙げられるようになります。
そこまでできたら次は120°、最終的には180°(バンザイ)くらいまでいければ筋肉の緊張はかなりゆるんでいるはずです。
腕を伸ばした状態でやってみたり、肘を曲げた状態で行う、挙げる方向もその人に合わせて微妙に変えながら動かしてみました。
ポジションは立ってもイスに座っても横向きに寝てもやることができます。
自分にとって楽なポジションでやると緊張もゆるみやすいですし、ポジションを変えてみても負荷のかかり方が変わりトレーニングにもなります。
肩甲骨、鎖骨、腕の動きを良くすると首こりは随分楽になります。
それに前屈運動をプラスして脊柱起立筋の緊張もきちんとゆるめてあげるとさらに効果的です。
首こりで多いのは筋肉の使い過ぎというよりもずっと同じ姿勢で作業をしていることで緊張して固まってしまっているというものです。
そういったものに対しては動かすようなことをする方が有効なように感じます。