「姿勢が悪いのは腹筋が使えていないから」は本当か?

姿勢の崩れの原因として一般的によく言われるのが「腹筋が弱い」、「腹筋が使えていない」というものです。
腹筋が弱い、使えていなければ立っていられないはずですからそんなことはありません。
リラックスしてスッと立つ感覚を忘れてしまっているだけです。
立っている時に腹筋が使えていないのであれば本来の自然な立ち方を教えてあげることではないでしょうか。

地球には1Gがあり、私達は常に垂直方向の重力負荷を受けています。
私たちの身体の様々な臓器や器官は重力の影響を受けて成長、進化してきました。
ヒトが2本脚で立つのは重力の中で生きていくために身体を調整し、適応した形なのではと考えます。
同じように2本脚で立つ動物には猿もいますが、ヒトと猿が違うのはヒトは直立できるということです。
ヒトの身体の機能を正常に働かせるためにヒトの本来の自然な直立姿勢をきちんと取り戻すことは非常に大切です。

地球の重力に抗して姿勢を保つ筋肉は抗重力筋とも呼ばれ、主に体幹や下肢の筋肉が含まれますが腹筋もそれらの1つです。
しかしその重力に抗する筋力がなければ立つことさえできません。
1Gの重力負荷を受けていないと筋力は自然と退化していってしまいます。(宇宙飛行士が宇宙から帰還した時に立てないように)
1Gの重力負荷を受けているから筋肉、筋力は維持されていますが0Gに近づいていくとそのバランスが崩れて弱くなってしまいます。
ですから、抗重力筋がきちんと働いた状態、立ち方に戻すことが腹筋が使えていないと言われるような立ち方を直すことが問題の解決法になりますし、日常で1Gの重力負荷に抗して立ち、移動したり体を動かして抗重力筋にストレスを与えることが筋力低下を防ぐことになると考えます。

私たちが生まれてから立つまでを考えると寝返りを打つ、肘や手で支持して頭や体を起こす、四つ這いになる、ハイハイで移動する、床に座る、膝立ち、しゃがんで足の裏でバランスを取る、つかまり立ち、イスの座り立ち、二本足で立ち上がるといった過程を経ます。
その中で自然と重力に抗して立つための筋力も作られていきます。

崩れた姿勢から元の状態に戻すためのトレーニングの考え方としてはもう1度生まれてから立つまでの過程を振り返ってみてどの姿勢、ポジションでの自然な動きはできるのか、どこからはできていないのかをチェックし、そのポジションでの動きの修正、脳のプログラムの修正をすれば重力に対してリラックスしてスッと立つ感覚を取り戻せます。

腹筋が弱い、使えていないせいで姿勢が悪くなっていると相談に来る人もこの考え方でうまくいっていないポジションでの体の使い方や動きを修正することで姿勢の崩れが直り、リラックスしてスッと立つ感覚を取り戻せています。

使えていない筋肉を刺激したり筋肉を鍛えるために負荷をかけたエクササイズをやらせるなど立ち方を直すためのいろいろなトレーニングがありますが使い方がわからないなら使い方を教えてあげれば問題は簡単に解決されます。
難しいことをしたり、きついこと、辛いことをする必要性はありません。