「ゆるめるだけだとすぐ元に戻ってしまってひざ痛は改善しない。根本から改善するにはやっぱり筋トレをしないといけない」と言う人もいますが、軟骨が擦り減っている、関節の隙間が狭くなっているといったものから変形性膝関節症と診断された(手術の必要はなく、運動を勧められた)というケースまでいろんなひざ痛の相談を受けますが、骨や関節といった組織に異常がない、あっても手術するほどでもないという人のほとんどは「使い方」の問題です。
全身の筋肉の緊張をゆるめて本来の自然な状態、姿勢に戻し、しゃがんで立つ、歩くなどの日常生活動作での体の使い方を直すことでひざ痛は軽減、改善されています。
ゆるめても結果が出ないというのは考え方の違いでしょう。
一般的には硬い筋肉の緊張を解いて柔らかくするようなイメージですが、私の考える「ゆるめる」は筋肉を本来の元気な状態に戻す、関節本来の動きを取り戻す、自然な身体の状態に戻すイメージです。
ひざ痛が起きているのは「結果」です。
膝に問題が起きている時にはすでに全身の筋肉の緊張度のバランスが崩れてしまっています。
実際、ひざ痛で相談に来る人できちんと立てている人はまずいません。
姿勢の崩れ、体のバランスの崩れ、イスのしゃがむ・立つ、歩く、階段の昇り降りの体の使い方が原因で膝が痛くなっている人がほとんどです。
こういったケースでは部分を良くして全体を良くすることは難しいが、全体を良くすれば部分を良くするという考え方でいく方が良い結果が見られます。
筋トレをしても筋肉が付けると言っても一般の人に必要なのは「重力に対して楽に立てる、動ける」筋力、体の強さです。
アスリートのような強い体は必ずしも必要ありません。また、使い方が悪いのに負荷をかけてスクワットや太ももの筋肉を強化するような運動をしたところで良くなるどころか余計に悪化させるだけです。
そういったことから考えてもまずは元の状態に戻す、動きやすい体の状態にする、それでも筋力不足が問題の原因となっているのであれば筋トレをするくらいの考え方で良いと思います。