痛いところが痛みの原因とは限らない

肩が凝っていれば首筋、腰が痛ければ腰、膝が痛ければ太ももをマッサージしたりストレッチングで伸ばしたり鍛える。
一般的にはこのように痛みや不調が出ているところに対して何かをするようなことが常識だと思われていて、痛みが出ている部分とは関係なさそうなところに何かをして痛みや不調を改善させると魔法のようだと言われます。

一般の方には非常識に思えてもヒトの体を見たり、運動指導を専門にしている人からすればこういったことは当たり前のことです。
体は繋がっていて、どこかを動かせば他の部分もそれに従うように動きますし、姿勢を変えれば他の部分も状態を変えます。
肩や腰、膝といった部分に痛みが起きているとしてもそれは“全体のバランスが崩れた結果”としてそこに一番大きな問題が起きているに過ぎないのです。

痛みや不調が相談に来る方の立ち姿勢を見て感じるのはノーマルな状態から崩れてしまっているということです。

どちらか一方の肩、腰が高くなっていたり、首が傾いていたり捻れている、体幹も捻じれている。脚を見てもお皿が内側や外側を向いていて、いわゆるO脚、X脚気味になっていたり、足のつま先も外や内を向きすぎていたりします。

筋肉を触ってみても痛みや問題が起きている部分の筋肉は確かに緊張で硬くなっていますが全身の他の部分でも筋肉の緊張が見つかります。
そんな状態なのに痛みや問題が起きている部分の筋肉だけをゆるめても他の部分の緊張が同じようにゆるんでいなければ問題は解決されません。

痛みや不調を改善するために必要なのは根本的な改善です。
それにはどうして肩こりが起きたのか、腰が痛くなったのか、膝が痛くなったのか、その原因を探し出し、それを解決しないと痛みや不調は改善されません。

一般の方の場合、その問題のほとんどが日常生活の中に潜んでいます。
本人にとっては取るに足らない些細なことでもそれをずっと繰り返していれば脳は姿勢や体のバランスをそれが最も効率良くできるように体の状態を適応させようとします。
自然な、無理のない体の使い方であれば問題は出ないはずですが、立ち姿勢、座り姿勢、歩き方、椅子の座る・立つ、階段の昇り降りを誰かから教わることはありません。
オリジナルで覚えます。それが「癖」というものです。

その癖を直して本来の自然な状態に回復させることが根本的な解決になってきます。
全身の筋肉の緊張をゆるめて緊張度のバランスを取ることもそうですし、歩き方、しゃがんで立ち上がる、階段の昇り降りといった日常生活動作をスムーズに行うためのやり方・動作の手順を覚えることなど問題の原因が違えば問題の解決法も様々です。
ですが、そういったことでもトレーニングが終わった時には体が楽になる、軽くなる、動かしやすくなる、スッキリしたり爽快感を感じることができます。

何か問題が起きた時にはまずは全体を見直してみることが大切です。

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