年配の方から「歩いているとすぐに疲れて長く歩けないんです。筋肉が弱いからでしょうか?」という相談されます。
何かの持続性がないと筋肉の持久力の低下のせい、筋肉量の低下が原因だと考える人が多いですが、近所で見かける毎日歩いている人を見てもボディビルダーのような太い太ももをしている人はまずいません。
なかには太ももやふくらはぎが細い人もいます。
長く歩けることと筋肉量の多さ、筋力の強さは必ずしもイコールではないということです。
そもそも歩けないということであれば脚の筋肉量の低下、筋力不足が考えられますが、ほとんどの人は歩くことはできます。
歩くための脚の筋肉、筋力は十分にあると考えられます。
長く歩けないというのは「持続性」の問題です。
何かの動作を長く続けようと思った時に、その動作そのものが辛い、しんどいものであれば長く続けることは難しくなります。
長くやるためには運動の軽くできるものでないといけません。
筋肉には速筋線維と遅筋線維がありますが、持続性に優れた筋肉は遅筋線維です。
遅筋線維は大きな力を出すことはできません。
そういったことからも歩く動作そのものがもっと楽にできるようになって遅筋線維を動員するうような運動になれば自ずと長く続けられるようになると考えられます。
実際に指導している年配のクライアントさんでも最初は歩くのがしんどかったのですぐに休憩をしてしまっていましたが、立ち姿勢を直し、スムーズな歩き方を身につけるトレーニングをすることで以前よりも長く歩けるようになりました。
何でもすぐに筋肉に問題解決を頼ってしまいがちですが、必ずしも筋肉、筋力だけの問題ではないこともあります。
どうしてそうなるのか“原因”をきちんと考えて適切な対処をすることがとても大事です。