筋肉を付けておかないと老後、歩けなくなる?

「筋肉を付けておかないと老後、歩けなくなる」ということを耳にすることがありますが、その筋トレをしていて膝が痛くなって歩けなくなったと相談に来るケースがあります。

本当に筋肉がないと歩けなくなるのでしょうか?
家の近所や街中、商店街などで年配の華奢な方が歩いているところを度々見かけます。
この人達はすごい筋力があるのでしょうか?
スクワットで何kgが挙がれば、何回できれば歩くのが楽にできるのでしょうか。
そんなことはわかりません。

私が見ているクライアントさんは年配の方が多いですが、「筋肉がないんです。」、「筋力がないんです」とみんな口を揃えて言います。
しかし、トレーニングを受け来るのに必ず歩いています。
歩くのに必要な筋肉、筋力はちゃんとあるということです。
歩いていれば歩くために必要な筋肉、筋力は維持できるということです。

ではなぜ筋肉、筋力がないと感じるのかというと、歩くという動作が楽に行えない、持続力がないからです。
その問題の解決方法はスクワットなどで脚の筋肉を増やす、筋力をアップさせることではありません。
歩くという動作をもっと楽にできるようにする、エネルギー効率を良くするということになります。

1つのやり方としては、「歩き方を直す」ということが考えられます。
多くの人が一生懸命脚を使ってあるこうとしますが、いくら脚を大きく前に出して、地面を強く蹴っても体は大して前に進みません。
移動するというのは脚を速く動かしたり、一生懸命動かすことではなく、“体を前に運ぶ”だけのことです。
実際にやってみればわかりますが、体を前に進めれば脚は勝手についてきます。
意識的にやれば筋肉を動かすエネルギーを余計に使ってしまいますが、勝手に動くというのはエネルギーを抑えることができます。
それだけで歩きも楽になりますし、エネルギー効率も良くなって長い時間、距離を歩き続けられるようになります。
結果的にスタミナもつきます。

もう1つのやり方としては、「歩くよりも強度の高いことを楽にやれるようにする」ことです。
例えば、“しゃがんで立ち上がる”動作。
歩くというのは垂直方向の重力に対して体は水平方向へ移動しているのでイスのしゃがむ・立つのような重力をしっかり受けながらの動作に比べると比較的楽にできます。

年配の方の多くがイスのしゃがむ、立つが辛い、大変と言います。
その大変なしゃがむ立つを楽々できるようにすると歩く動作はもっと楽になります。
イスのしゃがむ・立つ、ようはスクワットになりますが、別に筋トレのようにやらなくてもちょっとしたコツを掴めば筋力が弱い人でも筋力に頼らなくても楽に動作できます。
楽にやっていてもこのスクワット動作をしていれば体幹や脚の筋肉は自然に鍛えられてきます。
実際に見ているクライアントさんも徐々に低いイスから立ち上がったり、スムーズに座れるようになります。
筋トレというと重さばかり考えられがちですが、しゃがむ深さを深くするだけでも強度は上げられます。
強度が上がれば当然筋肉へのストレスも増え、それに適応して筋肉は膨らんできます。

筋肉がないと◯◯ができなくなるというような話はいろんなところで聞きますが、筋トレをするからその動作が必ず楽になるとは限りませんし、楽をしてもその動作をすることで必要な筋肉を維持したり、さらに膨らませることもできるということもあるんです。

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