今回の定例勉強会は「関節のアプローチ」について学びました。
このテーマは何回も行っているので骨がどのように動くのかといった基本的なことは把握できてきましたが、現場では1人1人骨の大きさなども微妙に違うので動かしてみても本に書いてあるようにはいかないことも多いので触る感覚、動かす感覚の修正、アップデートは常に必要だと感じています。
今回は特に脊柱、肩甲骨を中心でした。
肩こり、首こり、頭痛、肩や腰の痛みといった不調に悩んでいる方を多く見ているので現場での指導で非常に有効なテーマでした。
頭蓋骨と頚椎の境の動きを良くするにしても快の範囲で小さく動かすものから圧をかけて関節を近づけて滑らせて滑液を出して動きを良くするやり方、いろいろあります。
特に滑らせるやり方では頭蓋骨が滑る感覚が自分で動かしている時は“こんなものかな?”という感じでしたが、先生にアドバイスをいただいて動かしてみると滑る感覚が手にしっかり伝わってきます。
手の感覚が良いので当然可動性の改善や筋肉の緩み方も大きく変わります。
頸椎椎間関節では側屈や回旋の動きの組み合わせは頭では把握していても実際に相手を動かしてみると動きの感覚や効果も今ひとつでした。
テクニックを修正していただき、良い動きで動いた時の感覚を教えていただくと可動性が良くなっていく、筋肉の緊張が緩んでいく感じがよくわかるくらいに手にいろいろなものが伝わってきました。
肩甲骨へのアプローチでは上下・左右・回旋のそれぞれの動きで肩甲骨が胸郭の上で滑る感覚を手のひらに感じながら動かすというのがなかなか難しく、一生懸命動かす感じになっていることが多かったですが、小さな動きの繰り返しの方がどんどん手のひらの感覚が良くなる、体幹の筋肉の緊張の緩み方が大きく見られることに驚きました。
日頃の指導の中でなかなか肩甲骨周りの緊張が緩められなかったというケースも今回のテクニックの修正で良い結果が期待できそうです。
上肢の動きでは肩甲上腕リズムを良くするための鎖骨へのアプローチ、上肢の屈曲や外転、水平外転の動きの誘導では相手に痛みを感じさせない胸鎖関節への手の当て方や動かす手順、肩鎖関節の位置を見つけることに苦戦したり、相手の筋肉の状態を手のひらで感じながらスムーズに誘導する方向、捻り始めるタイミング、肘を伸ばした状態でやるのか、曲げた状態からスタートするのとどちらが相手が緊張しないで動作ができるのか、そういったことを感じて判断することが難しいと感じました。
ここでも先生に感覚を修正していただきましたが、良い動きの時の感覚を掴めると手のひらに伝わってくる感覚が変わり、筋肉の緊張の緩み方が大きくなって上肢の可動性も広がりました。
最後の前屈の動作では今までよりもさらに誘導がやりやすい動きの手順を教わり実際に誘導してみましたが今まで以上に前屈をサポートしている時に手に相手の脊柱のしなりを感じられるようになりました。
もちろん終わった後は背が高くなった感覚が出て結果もさらに良いものになりました。
本を読んでなんとなくわかっていたつもりでも実際に動かしてみると本のようにはいかないと無理に動かそうとしてしまうことが多いですが、相手を本に書いてあることに当てはめるのではなく、その人にとって快の範囲で動かしながら「感じ取って動かしていく」ことの大切さを強く感じました。