姿勢に関する相談で多いのが猫背を直したいというものです。
一般的には背中が丸くなり、胸が縮こまったような感じになっているので肩甲骨を寄せるような運動や胸の筋肉をストレッチングで伸ばすような方法が用いられますが、姿勢が良くなるような変化は見られません。
肩甲骨を寄せようとしても縮んでしまっている胸の筋肉が元の長さに戻らなければ肩甲骨を寄せることはできませんし、縮んで硬くなった筋肉を伸ばそうとすると筋肉は伸張反射を起こして縮もうとします。
どちらも筋肉の緊張を解くには不適切なために思ったような効果が見られないのです。
縮こまってしまった胸を開くには筋肉を伸ばすのではなく、“ゆるめる”ことをすればいいのです。
ゆるめるためには「気持ち良く動かす」ことをしてあげればいいのです。
そのための方法はいろいろあります。
揺する、手をブラブラ動かす+呼吸をしてみるなど。
実際の指導でよく使うのは肩を上下にトントンと動かすような体操です。
肩を適切な位置(胸・背中・肩のどこにも余計な緊張が出ないゆるい緊張のバランスの位置)で気持ち良くトントンと上下させるだけです。
肩甲骨の可動性が戻ってくるに従って体の前後の筋肉の緊張度のバランスが取れてきて、自然と姿勢も良くなって胸も開きます。
筋肉の緊張を解くために筋肉を伸ばすということは効率も良くないし、かなりのテクニックが必要なので一般の方には難しいのであまりお勧めできません。
気持ち良く動かすことはテクニックもそれほど必要なく、誰でも簡単にできるので姿勢を直したいのであればそういったことをする方がお勧めです。