魚住先生が考案された魚住方式のトレーニングの指導を見直すために大阪へ行ってきました。
・量以外のトレーニング刺激の考え方
魚住方式のトレーニングでは快の刺激で体を動かしていきますが、トレーニングの原則に“漸進性の原則”があります。前回は初めて魚住方式でトレーニングをする人も何度もやっている人も回数がほとんど変わらない、刺激が小さいために効果がそれほど見られないという問題がありました。
そこで今回に向けて回数を積極的に増やしていくみたところ100回くらいはやれる動きがいくつもありました。
そうなると今後はどうやって刺激を増やしていくのか、もっと回数を増やしていくのか?という疑問が出てきました。
回数というのは「量」の刺激になりますが、トレーニング刺激はそれだけではありません。
魚住方式は速筋線維をターゲットにしていきます。
速筋線維を刺激するというと一番に思いつくのは「重りの重さ」ですが魚住方式では重力、手脚の重さを負荷にして行いますから物理的な重さを増やしていくような教科書的な刺激の増やし方は使えません。
そこでトレーニング指導者としての頭の柔軟性、応用力が問われます。
刺激の変え方は無限にあります。
要は適応しない刺激を与えれば良いわけで、そう考えてみると強度を変えたり、動きに変化をつける、手順を変えるなどいろいろな刺激の変え方が出てきました。
他にも下半身のエクササイズをいろいろやっているがお尻の筋肉の弾力の出方が今ひとつというケースがあり問題点をチェックしていただきましたが、ここでも刺激が小さいという問題が出てきました。
お尻の筋肉を良い状態にするためには股関節、特に内・外旋の動きが重要なのですが、動かす範囲が不十分だったりでの当て方や誘導のやり方に問題があるために速筋線維が十分に刺激されていない、弾力性を出すような運動になっていないということがわかりました。
手の当て方や動かし方、誘導の細かい部分を見直しましたが、ほんのちょっとのことですが動かしていても相手の筋肉の弾力性が出てくることがわかるくらい筋肉の状態が良くなりました。
・呼吸で体幹の筒をきちんと作る
自然体の姿勢を保持するための体幹の新しい考え方、呼吸の考え方を前回教わり実際の指導でもどんどん行ってみました。
体幹がきちんと保持できると手脚の動きは良くなるなど効果は感じましたが、長い時間その体幹のバランスを保持することができないという課題が出てきました。
体幹を筒状できちんと置いておくために今回は呼吸を前回よりもたくさんのバリエーションで行ないました。
呼吸をするだけでなく、呼吸だけでなく眼球運動も合わせて胸椎を動かしてみたりすることで姿勢の感覚が変わったことがわかります。
仰向けに寝たり、イスに座ったり、立ったりいろんなポジションでの呼吸のやり方を教わりましたが応用力、発想の柔軟性にただ驚くばかりでした。
・きちんと歩く
腰痛など様々な体の不調を抱えている方が多いですが、そういった方できちんと歩けている方はほとんどいません。
姿勢だけでなく歩き方もきちんと教えることの重要性をいつも感じます。
今回は歩き方を良くするために片足支持を鼻呼吸を組み合わせたり、足裏に体重がしっかり乗っている感覚を出すためのアイデアなどを使ってやってみましたがほんの少しの時間で歩きの感覚が変わりました。
・エクササイズの見直し
その他にも日頃行っているエクササイズについてチェックしていただきました。
肩甲骨の動きを使った体幹を刺激するエクササイズでは1つ1つ小分けにして行っていましたが、今回は1つの動作の中に肩関節の屈曲・伸展、内旋・外旋、肩甲骨の挙上・下制、内転・外転を組み合わせたやり方、そこからのバリエーションの考え方を教わりました。
腹筋を刺激するエクササイズでは伸張反射をうまく引き出す誘導のやり方、エクササイズのバリエーションを教わりましたが、10回くらいでもしっかり腹筋を使っている感覚がありました。
下半身は切り返しを使ったスクワットの見直しをお願いしましたが、相手がうまくできていないのではなく自分が説明する時の言葉の選択ミスや伸張反射を引き出すイメージの勘違いがうまくいかない原因でした。
今回はいつもよりさらに濃い内容で5時間以上良いものをたくさん教わることができました。
さっそく学びを指導に活かしていきたいと思います。