マラソンをしている人から「30kmを過ぎると脚が動かなくなってタイムがなかなか縮まらない。最後まで脚を動かし続けられるようになるためにどんなトレーニングをしたらいいでしょうか?」といった相談が多く来ます。
脚が動くには筋肉が動かないといけませんから、筋肉を動かし続けられなくなるのは筋肉の持久力がないからと考えて下半身の筋トレをする人もいますが、いくら筋肉を鍛えてもその動作での持久力が増えるだけで走り続けるための脚の持久力が高まるかどうかはわかりません。
長い距離を走っていて脚が動かなくなってくるのは、「意識的に脚を使って走っているから」です。
市民ランナーで小さな歩幅で走るピッチ走法のような走り方をする人が多いです。
大きな歩幅で走るよりもそちらの方が省エネだからというようなことがよく言われますが、ピッチ走法になると同じ距離を走るにも歩数が多くかかります。ということは脚の筋肉を使う回数が増えることになります。筋肉をたくさん使えば筋肉を動かすエネルギーが切れてしまいます。長い距離を走っていて脚が止まってしまうのはそういう理由です。
そうすると、問題を解決するための方法は、「意識的に脚を使って走らない」ということです。
ピッチ走法をやめて腕振りのリズム、弾みを使って筋肉のエネルギーを効率よく使って走ることです。
ストライドを伸ばすことは歩数を少なくすることになり脚の筋肉を動かすエネルギーを抑えることにも繋がりますが、ランニングスピードをアップさせタイムの短縮にも繋がります。
弾むように走ると脚の筋肉を動かすエネルギーをたくさん使う、膝への負担が大きいと言われますが、意識的に歩幅を広げて走るからそうなるだけです。
接地の衝撃をうまく反力に変えれば楽にストライドを伸ばすことができます。
そのために大事なのは接地の仕方です。
トレーニング指導をしている市民ランナーの方からも接地のやり方を修正し、反力をうまく貰ってストライドに繋げる走り方に変えて長い距離を走っても脚が疲れなくなった、最後まで動かせるようになってタイムも少しずつ良くなってきたという感想をいただいています。
マラソンに必要なのは心肺系の持久力、4時間近く動き続けることができるような持久力です。
脚の筋トレをしているのにあまり効果が出ていないという人は走り方を見直してみる方が効果が見られるかもしれません。