体脂肪を減らすための運動というと、一般的には筋肉を鍛え、筋肉を付けて基礎代謝をアップさせるというものです。
だからジムでも一生懸命筋肉を鍛えている人を多く見かけますが、理屈としては正しくても筋トレはきつい、苦しい、辛いものなので長くは続きません。
筋肉の働きが力を出したり運動するだけという考え方だと重いものを持ち上げたりするような運動が思い浮かびますが、筋肉にはもっと大事な役割があります。
それは“熱を作ること”です。ヒトの平熱は36.5℃と言われます。
気温は通常36.5℃よりも低いので体温を保つためには自分で熱を生み出す必要があります。その熱を生み出す大きな役割を担っているのが「筋肉」です。
熱産生の6割を担っていると言われています。
基礎代謝というと筋肉の量ばかりに目が行きますが、体温が上がっても基礎代謝は上がると言われています。
熱が維持されているということは常にエネルギーを消費しているということです。そのための燃料として糖質や脂質が使われています。
ですが、筋肉によるエネルギー消費がレベルダウンしてくると糖質や脂質が蓄積されてくるということが起こってしまいます。
体脂肪を減らしたいと相談に来る人もほとんどが体温が平熱より低く、なかには35℃台というような人もいます。
いくら食事に気をつけたり、エネルギーを消費しようと運動をしてもそもそもの基礎代謝が低いので体脂肪はなかなか減りません。
そういう人に対して筋肉を鍛えるようなことをしなくても熱を作るということを目的としてトレーニングをしていくと、それほどハードな運動をしなくてもウォーキングやランニングのような有酸素運動をしなくても徐々に体脂肪は減っていく効果が見られます。
トレーニングを始めてから冷え性が治ったという方もいます。そういう方は食事を極端に変えなくても体重が徐々に減っていきますし、リバウンドすることもありません。
それだけでなく、筋肉の弾力を高めるトレーニングをすることで全身の筋肉の緊張度のバランスが取れ、姿勢も良くなり、スタイルアップしてきます。
重力に対して姿勢を保持するというのも筋肉の大事な役割です。
健康的なカラダを作るためには必ずしもハードなトレーニングをする必要はありません。
筋肉の持っている本来の機能がきちんと働くようにすることを意識してみるというやり方もあるのです。