体を支える遅筋(赤筋)と動かす速筋(白筋)

背筋が伸びた状態で長く立っていられない、歩いてもすぐに脚が疲れる、イスのしゃがむ・立つがしんどいとなると、「筋力が弱いから」と思う人が多いですがそれならと腹筋・背筋を鍛えるような運動をしてみたり、下半身の筋肉を鍛えようとスクワットをしてみても思ったような効果は出ません。

筋肉には大きな力は出せるがスタミナに乏しい速筋線維(白身)と大きな力は出せないがスタミナに富む遅筋線維(赤身)があり、一般の人の場合その筋肉の割合は50:50です。

ヒトは地球で生活している限り、重力に抗して生きていかなければなりません。
ヒトが二本脚で立つことができるのは重力に対してきちんと立つために働く抗重力筋と呼ばれるものがきちんと機能しているからです。
そして抗重力筋の多くは遅筋線維です。
それは立っているだけですぐに疲れてしまっては困るからです。

ということは、立つのが大変ということは筋肉が弱いのではなく、抗重力筋がきちんと機能していないからです。
遅筋線維は衰えにくく、日常生活動作をきちんとやっていればレベルダウンすることはありませんが、現代は座りっ放し、寝たままで立つ、歩くといったことが少なくなりがちです。
そのため体を支える筋肉も衰えてしまいがちです。

一方の速筋線維の機能は重力に対して動かすための筋肉とも言えますが、姿勢が崩れていて遅筋線維がきちんと機能していないのにもう半分の速筋線維だけはきちんと機能するというのは無理があるようにも思えます。
だから自分の体や手脚の重さを動かすのも大変だということになっても不思議なことではないのです。

そうなると筋肉を付けようと一生懸命鍛えるよりも、まずは筋肉の緊張のバランスを取り戻してきちんと立てるようにすることも大事なのではないでしょうか。

実際、指導しているクライアントさんも崩れた姿勢で体や手脚を動かすよりも自然な立ち姿勢を取り戻してから動かす方が楽に動かせる、重いものも楽に持ち上げられて筋力が上がったということを実感しています。
きちんと立つことで遅筋線維がきちんと機能することでもう一方の速筋線維もきちんと機能するようになるということでしょう。

筋肉を鍛えて筋力アップを目指すのも悪くないですが、その前に自分の筋肉がきちんと機能を果たしているのかということを見直してみても面白いのではないでしょうか。

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