トレーニングを指導していて「1日に何回やったらいいですか?」とよく尋ねられます。
多くの人は“1度にやる回数”が多ければ多いほど効果があると思っているようですが、大事なのは1度に行う回数ではなく、“トータルで行った回数”です。
例えばスクワットを30回やったとすると多くの人は30回脚や体幹の筋肉を刺激したと思うでしょうが、実際には「1回刺激した」ことにしかなりません。
筋肉を刺激するために必要なのは、“トータル回数”です。筋肉を大きくするためのトレーニングをしているのに変化がほとんど見られないという人に多く見られるのが1度の回数が多くなってしまっているというものです。筋肉を大きくするためのトレーニングの負荷は8〜12回がなんとかできるくらいのものです。基本的には1セットに行う回数が多くなれば刺激は小さくなりますから筋肉が大きくなるような反応は起きにくくなります。(やり方を工夫すれば回数が多くても筋肉を大きくできるやり方もありますが)
筋肉を大きくするには1度に行う回数は少なくなる分、それを頻繁に行う、セット数を増やしてトータルで行った回数を増やすということが必要なのです。
これは筋肉を大きくしたい人だけに限った話ではなく、健康な身体を手に入れたいという人にも言える話です。
健康づくりのための運動というと1度に長時間歩いたりするようなものがよく勧められますが、それも1回やったに過ぎません。
本当の意味でたくさん体を動かすのなら1回の時間ではなく、“頻度”を増やすことです。
つまり、家の中やオフィスの中でずっと同じ姿勢でいるのではなく、頻繁に態勢を変えるということです。簡単に言えば立ち上がって歩いてまた座るということをできるだけ増やすことを心がけるということです。
こんな風に考えてみれば体を動かすというのはもっと簡単で、そんなに難しいことではないのではないでしょうか。
実際、健康な人ほど頻繁に体を動かしていて、じっとしている時間は短いものです。
筋トレやウォーキングだけが健康な身体を手に入れるためのトレーニングではないということです。