体を動かさない人に見られる身体の変化には、骨密度の低下、筋肉量の減少、姿勢が悪くなる、脂肪の増加、関節痛、腸の働きが鈍るなどがあります。
そうすると、「体を動かしましょう」ということになるのですが、運動というとジムに行って筋トレやウォーキング、ランニング、スタジオのレッスンに参加してエアロビクスなどをやるというようなことをイメージする人は多いのではないでしょうか。
また、運動はたくさんした方が良いと思っている人も多く、「ジムで毎日運動したら良いですか?」と尋ねられることもよくあります。健康な身体を手に入れるために考えないといけないのは運動をする時間を増やすことではなく、“動きを増やすこと”です。
デスクワークの人はずっと座りっぱなしになりがちですが、イスから立ち上がるだけで筋肉は動き、血流、血液量、ホルモンに変化が起こったり、身体中の神経が刺激されます。
筋トレやウォーキングをわざわざする時間を作らなくても仕事中に頻繁に立ち上がるようなことをしましょうということです。
実際にトレーニングを見ているクライアントさんの多くが運動は苦手、デスクワークだったり、腰痛やひざ痛、股関節の痛みで日頃ほとんど体を動かすことがないような人です。トレーニングは週に1回、1時間です。元気になって来るにつれて1日の中でじっとしている時間が減り、気がついたら体を動かしているようになっています。
運動というとすぐに筋力強化のようなものをやることが勧めらますが、そもそも重力に対して楽に立つ、歩く、しゃがんで立ちあがるのにそんなに大きな筋肉、強い力は必要ありません。
筋肉が減っていく、筋力が衰えていくのは筋肉を鍛えないからではなく、“動かない”、“立たない”からです。
筋肉は重力に対して体を支える、動かすためのものです。
1日の中でずっと同じ姿勢をしている時間を減らすために時々立ち上がって歩いて、また座る。
そういうことを頻繁にやって重力を受けながら体を動かすようなことをしていればそのために必要な筋肉は維持されます。
難しいこと、きついことをやるから効果があるとは限りませし、簡単なこと、楽なことをやるかた効果がないわけではありません。
健康な体づくりのための運動というものをもっと見直してみてはどうでしょうか。