スクワットは正しい姿勢、フォームでやらないと腰や膝を痛めてしまうと言われます。
猫背や反り腰のような崩れた姿勢や体や脚が捻れた状態でスクワットをすれば腰や膝に大きなストレスをかけてしまいケガに繋がる可能性もありますから姿勢は大切です。
しかし一般的に言われる正しい姿勢が腰や膝を痛めるスクワットに繋がるということもあります。
「正しい姿勢」、「綺麗な姿勢」というと一般的に“背筋を真っ直ぐに伸ばした姿勢”のイメージです。
背筋を真っ直ぐに伸ばした状態で股関節・膝・足首を曲げてしゃがんでいこうとすると腰の筋肉に余計な緊張が生まれ、しゃがんだ時に腰が反ってしまいます。
それが腰の痛みを引き起こしてしまいます。

背骨のラインのような“線”で体を見ようとするとそういう無理が出てきますが、体を「筒状」で考えてみるともっとシンプルになります。
筒の中に背骨が通っていると考えると体の前後の筋肉の緊張の釣り合いを崩さず、筒が変形しないでしゃがんでいけば意識しなくても姿勢が崩れることもありませんし、腰だけに大きなストレスがかかるようなこともなくなります。
また、しゃがむ手順ややり方が不適切でも腰や膝に大きなストレスをかけてしまいます。
スクワットの指導でよく見られるのが「膝がつま先を越えないように」というものです。
そう言われるとほとんどの人は膝を固定し、お尻を引くようにして脚を曲げていきます。
膝を固定してしゃがんでいくとある程度までしゃがむと動きにブレーキがかかります。
そうすると上の画像のように腰も緊張して反ってしまいます。
太ももの前には筋肉が伸ばされながら大きなストレスがかかってしまい、膝のお皿は上に強く引っ張られます。
それが限界を超えると膝に痛みが起きてしまいます。
しゃがむ動作の適切な手順は「足首→膝→股関節」順でゆるめることです。
こうすればや動作にブレーキがかかることなく楽に深くしゃがむことができます。
体幹がリラックスした状態、筒状で適切な手順でしゃがんでいけば腰や膝が痛くなるようなこともありません。
それどころか体のバランスが取れて立ち姿勢が良くなり、腰や太もも、ふくらはぎの筋肉はストレッチされ筋肉の柔軟性、弾力性が戻ってきます。
その結果腰や膝の痛みも改善するといったケースもあります。
“正しい”という言葉が運動を難しくさせてしまうということもあるのではないかと思います。
もっと“適当に”、自分の目的に合った“適切なやり方”で“適量”やればいいという風に肩の力を抜いて考えてみても良いのではないでしょうか。