魚住方式のトレーニングの指導のやり方を見直すために大阪の魚住先生のラボへ伺ってきました。
何度も指導の際のポジションや誘導といった基本的なところを見直していることもあり、トレーニング後の成果も良くなってきていますが、筋肉の緊張を緩めきれていない、問題が解消されていないことについてはやはり見立て、ポジション、誘導に問題がありました。
足首の辺りに痛みが出るというケースでは、痛みの種類についての考え方が深まりました。
外傷や組織の異常が原因で痛いのか、その部分に大きなストレスがかかっているために痛みを感じているだけなのか、痛みと言ってもそういったところが違えば対応の仕方も変わります。
今回のケースは仕事や痛みが出た日の前日にどういったことをしたのかということを1つ1つ探ってみると、その部分に大きなストレスがかかっているために痛みが出ているというものでした。
こういった場合、痛みが出ている足首の周りの筋肉に対して部分的にアプローチしただけでは問題は解消されません。
さらに足首に痛みが出ているなら、その上の膝はどうなのか?さらに上にある股関節、骨盤、脊柱、肩甲骨周囲、肩、首に余計な筋肉の緊張はないか?捻じれていないか?全身の状態のチェックをする必要性を改めて感じました。
上体が崩れたままで下が支えていることで大きなストレスがかかっているなら上を元の状態に戻してみると下の筋肉の緊張も緩み、下肢のアプローチでもっと良い効果が出るということです。
そうやって一つ一つチェックしてみると、必要なのにやっていない動きがあったせいで肩甲骨周囲の緊張をきちんと取りきれていない、脊柱や仙腸関節、腰仙関節の周囲の緊張も緩められていなかったことが下半身にアプローチがあまり良い結果にならなかったということでした。
こういうちょっとしたことをやる・やらないで全身的に影響してくるのだということを痛感しました。
下半身へのアプローチでは“繋がり”を感じました。
太ももの筋肉の緊張を緩めることは脛を緩めるスタートです。
膝の緩みを出すと足首はもっと動かしやすくなります。
実際に繋がりを意識したアプローチを受けてみると足首に直接アプローチしていないのに足首の動きがスムーズにできるように感じました。
それ以外にも関節の動きのイメージがきちんとできていませんでした。
関節は軸回転をしますが膝や足首は軸回転だけでなく前後への“滑り”もあるのですが、それをイメージしないで動かしていたこともあまり良い結果に繋がらなかった原因でした。
イスの立つ・しゃがむの動作ではポジションの重要性を再認識しました。
ちょっとした足の位置による膝の角度の大きさが立ち上がる動作での膝の関節がスムーズに動けるのか、そうでないのかを決めてしまいます。
膝がスムーズに動けない足の位置でいくら関節のスムーズな動きを意識させたところでできないものはできません。
しかし、ちょっと足の置く位置を変えるだけで膝のスムーズに動くようになり楽に立ち上がれるようになります。
膝の角度という視点は今までありませんでしたが、できるように教えるためにはこういう細かいところも見落とさないように気をつけないといけないということを感じました。
誘導については、筋肉の緊張が強い方、動きの悪い方を誘導する手の当てる位置、動きの問題がありました。動きを見ながら臨機応変に手の当てる位置、動かし方も工夫しないと変わらないことをやっていても思うような結果にはならないということがわかりました。
誘導だけに限らず、道具の使い方を工夫する重要性を感じました。
太ももの緊張を緩めるために使っているクッションも相手の筋肉の緊張状態に合わせて柔らかさなどを変える、大きさによっては脚の置き方を変える、“快のポジション”を見つけないと、ただクッションを使うだけではなく、どのように使うか、どのようにやるのかいろいろな発想ができるよう頭を柔軟にしないといけないと思いました。
筋肉の緊張を緩めるために使っている“金属”も材質、使い方を変えるだけで動かしやすくなるだけでなく、鼻詰まりが解消されたり呼吸をしやすくなる、使う位置を変えると立っている感覚がどんどん良くなるといった変化がありました。
二関節筋の運動で筋肉の弾力の出方、膨らみ方が今ひとつでしたが、ちょっとした手首の使い方や段階的なエクササイズの進め方をしていくことで動作の複雑さも感じることなく、しっかり狙った効果を体感できました。
他にも最近流行っているヒップアップトレーニングの簡単で効果的なやり方や呼吸などさっそく現場での指導で試してみたくなるものをいろいろ教わることができました。