「ランニングフォームに気をつけて走っているのにすぐに脚が疲れたり、息が苦しくなってしまう。体力を付けるためにどんなトレーニングをしたらいいか?」といった相談をよく受けます。
マラソンや長距離走というとスタミナが必要だと思う人もいるでしょうが走っていて脚が疲れる、息が苦しくなるというのはスタミナが足りないのではなく筋肉を動かすエネルギーが尽きてしまっているからです。
意識的に筋肉を使うと最速で7秒、長くても90分くらいしかもたないと言われています。
正しいランニングフォームで走れば長い距離を走っても疲れにくいと思われがちですが、大切なのはランニングフォームではなくスムーズに走ることです。
長い時間、距離を走っても脚が疲れないようにするための方法の一つは「脚が勝手についてくる、動く楽な走り方を身につけること」です。
実際に市民ランナーのトレーニングを見ていますが、体がどんどん進んでいく、脚が勝手についてくる走り方の感覚がわかると手脚の動かし方や姿勢を意識しなくても自然と手脚の動きやランニング姿勢が良くなり、それなりの距離を走ってもすぐに脚が疲れたり息が切れるようなこともなくなります。
もう一つ大切なことがあります。
それは、「速く走る練習」をすることです。
いくら走り方が良くなって楽に走れても持っている力が引き出せるようになるだけで劇的にスピードがアップするわけではありません。
しかし、楽に走れるスピードが今より上がれば同じ時間でも到達できる距離は遠くになります。
そのためには基本スピードをアップするしかありません。
トレーニングでは速く走るためのトレーニングも行いますが、その後に楽なペースで走った時のスピードも上がります。
この2つを組み合わせてトレーニングすることでどんどん走れる距離が伸びていきます。
スタミナももちろん大切ですが、マラソンや長距離に必要なのはゆっくり走るスタミナではなく、“速く走るスタミナ”です。
ゆっくりと長い距離を走る練習ばかりでなく、トレーニングを行うことも必要ということです。