定例勉強会に参加するために大阪へ行ってきました。
今回のテーマは、「ランニング指導:市民ランナーから球技系スポーツまで」ということでランニング指導がテーマでした。
走り方を良くするには走り方のトレーニングを
最近ではマラソンをしている人や部活でスプリントをやっている選手から股関節や膝の痛みに関する依頼が増えてきていますが、相談に来る人の多くは痛みの出ている股関節や膝周辺の筋肉をストレッチングで伸ばすと少し痛みは軽減するが、また走り出すと同じところが痛くなるということを繰り返している人です。
いくら痛みの出ている周辺の筋肉を解しても結局はやると痛みが出る動作、つまり走り方に問題があればすぐに痛みが再発しまいます。
根本的な解決のためには走り方という“体の使い方”のトレーニングが必要になってきます。
片足支持の大切さ
歩きも走るも基本は“重心移動”、“身体移動”です。
その場で手脚を一生懸命動かしても体が前に進むことはありません。
歩く、走るというと「足のどこから着地して」というような脚の動かし方をやる、やらせるケースが多いですが、大切なことを忘れています。
それは「反対の脚が自分の体の重さをきちんと支えている」ということです。
片足で体重を支持する期間をきちんと作ることで重心移動の感覚も掴めますし、接地のやり方も良くなります。
足裏全体で接地できると着地の衝撃が膝にだけかかるようなこともなくなり膝の痛みも出なくなります。
それどころか太ももの前の筋肉の緊張も緩んで脚も真っ直ぐに伸び、脚の形も良くなります。
また、着地の衝撃をお尻の付け根や腹筋に感じることでヒップアップ効果や姿勢が良くなる効果もあります。
今回は下駄を使うやり方、何も使わないで修正するやり方を教わりましたが、体が前に進んで脚は後からついてくるという感覚が掴め、膝や股関節の余計な力が抜け、スムーズに歩けるようになりました。
楽な走り方を身につける
ランニング指導をしている中で難しいのが、本やネット、ランニング教室などの影響で脚を一生懸命動かして走る癖のある人に重心移動で進む感覚を伝えること、掴んでもらうことです。
ランニング指導をしていただく中で今回は体を微妙に上下させ、力を抜いた状態から体を前に傾けたり、腕を使って重心を前に移動させていくパターンを教わりましたが、脚を一生懸命前に出そうとしなくても楽に体は進む、弾み感もあり、リラックスしている、脚はフラットに地面に接地でき、自然に走り出しました。
さらにお尻叩きでも跳ぶイメージが掴めるとストライドが大きくなり、自然とランニングをしていました。
弾み感を伝えることの難しさを感じていましたが、今回の指導の進め方は非常に参考になりました。
楽に走るだけでなく速い動きの練習も大切
マラソンで多いのが“脚が止まる”というものです。
筋肉は使えば疲労します。
タイムを良くする、最後まで走り切るためには意識的に筋肉を使わない、「楽な走り方」をする必要があります。
しかし、他にも必要なものがあります。
それが、「ランニングスピードを上げること」、速い動きを余裕をもってできるようになることです。
そうすることでゆっくりとした動作もさらに余裕が出てきます。
ランニングスピードはピッチ×スピードです。
今のピッチでストライドが1cmでも大きくなればランニングスピードは上がります。
ストライドを伸ばすためには走る練習ではなく、ストライドを伸ばすトレーニングが必要です。
そういう意味から考えてみても練習だけでなくトレーニングも必要ということです。
腕振り
ランニングではリズム取り、スプリントではストライドを伸ばすためといったように走るという動作において腕振りはとても重要ですが、1人1人に合った手の位置をアドバイスすることはなかなか難しいことです。
今回、ちょっとした道具を使うことでランニングの腕振りが非常に良くなる、肩甲骨の位置も安定し腕振りが安定することを教わりました。
ちょっとしたことで腕振りを良くすることができる発想、視点に驚かされました。
ランニング指導は何回も繰り返しやっているテーマですが、自分が指導するようになってからはいろいろな気づきがあります。
今回の学びをさっそく指導に活かしていきたいと思います。