前傾姿勢で走っていると腰が痛くなる。フォームが悪いからでしょうか?

市民ランナー向けの雑誌など走り方についていろいろ書かれているものを読んでみると、「体を前傾させるともっと楽に走れる、速く走れるようになる」と書かれています。
しかし、体を前傾させようとすると倒れてしまわないように腰に余計な力が入ります。
意識で作った前傾姿勢で何十分、何時間も走っていれば腰にかかるストレスはものすごく大きくなります。
限界を越えれば痛みが出てしまいます。
実際、こういった走り方をして腰が痛くなって相談に来る方もいます。

前傾姿勢はするものではなく、体が前に進んでいくことで“自然にそうなるもの”です。
走る時には重心を前方へ移動させていくのですが真っ直ぐに立ててしまうと安定して止まってしまいます。
走り続けるためにはバランスを前に崩し続けるしかありません。
自然にそうなる姿勢を意識して作っても形は似ていても全く違ったものになり不自然なります。
作った前傾姿勢で走ったところでストライドは伸びませんからスピードも上がりません。

体を前に進めていくには脚の運び方が大事です。
相談に来る人のほとんどが脚を前に出し、踵から着地してつま先で地面を蹴って進もうとする走り方をしていますが、それでは体が前に進む推進力は生まれません。

体を前に進める推進力を得るには、股関節を伸ばす動きを使って後方へ脚を送るようになります。
そうすることで体は自然と前傾姿勢になります。
こういう脚の運びで走ると体がどんどん進むようになりますし、腰が痛くなるようなこともありません。
不自然な前傾姿勢で腰が痛いという方でも走っているうちに腰の筋肉の緊張も解れて楽になります

フォームは体の動かし方の結果にしか過ぎません。
フォームを意識する前に体の使い方を見直してみることです。