ランニングをすると太ももの前が筋肉痛になってしまう

市民ランナーからランニングをすると翌日太ももの前側に筋肉痛が出るという相談を受けます。そもそも太ももの前に筋肉痛が出るということ自体がNGです。

走ると筋肉痛が出るのが当たり前のように思われがちですがスムーズな走り方でランニングをすれば太ももの前に筋肉痛は出ません。
逆に太ももの前の筋肉がゆるんで柔らかくなります。

太ももの前の筋肉は“ブレーキ筋”です。
そこに筋肉痛が出るということはブレーキをかけて走っているということです。
太ももに筋肉痛が出るという人の走りを実際に見てみると脚を一生懸命動かして走っています。
筋肉を意識的に使えばエネルギーを余計に使うことになります。
筋肉は意識的に使うと最速で7秒、長くても90分くらいしかエネルギーはもたないと言われています。
余計な力を使いながら何百歩、何千歩と脚を動かすから太ももの筋肉が疲労し筋肉痛が出てしまうのです。

筋肉の持久力の問題というとすぐに筋肉を鍛えて持久力を伸ばすことを考えてしまいますが、筋肉を増やしたところで持久力は変わりませんし、筋力を高めたところでランニング動作で使う筋肉の持久力が伸びるようなこともありません。

筋肉痛が出ないようにする最も簡単な方法は走り方を直してスムーズに走れるようにすることです。
スムーズに走るというのは自分で意識して手脚を動かすのではなく、“体が勝手に進んでいく”、“脚が勝手に動く”感覚です。
そのために使うのは“体(重心)の移動”や“接地の反動”です。

多くの人が走る時に脚を一生懸命前に出して進もうとします。
ピッチもランニングのスピードに関係する大事な要素ではありますが、脚を前に出すような使い方(股関節を曲げる動き)で使われるのは太ももの前の筋肉です。
脚を自分で前に出して走ると太ももの前の筋肉を意識的に使うことになります。
こういう脚の使い方も太ももの前に筋肉痛が出る原因の1つです。

改善するには脚を前に出して走るのではなく、体(重心)を移動させて進む感覚を身につけることです。
実際にやってみるとわかりますが脚を前に出しても体が前に進みません。
前に出した脚を地面に突き刺すような着地になり、つっかえ棒のように体が前に進もうとするのにブレーキをかけてしまいます。
ところが体を前に進めてみると、こけないように脚は反射的に出てきます。
前に進むということは上体を前方へ、脚は後ろへ後ろへといくような動きなのです。
トップアスリートの体型を見てみるとお尻の筋肉が発達していますが、お尻の筋肉は股関節を伸ばす、脚を後ろに動かす時に使われます。

また、腸腰筋が発達しているとも言われます。
腸腰筋がもっとも働くのは“足が地面から離れる瞬間(股関節を伸ばす動き)”です。
その時に腸腰筋は伸ばされるような動きでよく使われるということです。
筋肉は伸ばされると反射的に縮もうとします。(伸張反射)
それによって体の後ろに行った脚が瞬時に前に戻ってくるのです。
ランニングのピッチは脚を前に前に動かすピッチではなく、後ろに行った脚が自動的に戻ってくることによって生まれるピッチなのです。

接地に関してはいろいろなやり方が言われますが、接地の反動を利用して“弾む”ように走るには「足裏全体でフラットに踏み込む感覚」でやることです。
走っている時の接地の衝撃は体重の3〜5倍と言われますが、足裏全体で接地するとその衝撃はお尻や腹筋といった体幹でもらうと前方へ飛び出し、ストライドが伸びて速く走れるようになります。
自然な重心移動と適切な接地で走っていくと余計な筋力を使わないので息が上がったり、疲れるようなこともありません。

こういったことを身につけると楽に・速く・長く走れるようになります。
女性であれば脚は引き締まり、お尻は上がってスタイルも良くなります。

トップレベルのランナーの体型を見てもみんなふくらはぎや太ももの前は細いのにお尻や太ももの裏は大きな筋肉をしています。
筋肉は使っているように作られていきますから、トップレベルのランナーはそういう体の使い方をしているということです。

走れば筋肉痛は出るもの、筋肉痛が出るほど頑張れば良いという思い込みを捨てることです。

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