ランニングをしていると膝が痛くなったという相談が来た。
病院で診てもらっても骨に異常はないということ。
実際に走っている姿を見てみると膝を痛めた原因は走り方、なかでも「接地」でした。
痛みの出る方の脚は棒を動かしているような感じで体よりも前に出てつっかえ棒のような感じで着地していた。
なので接地は足裏全体ではなくつま先から地面に着くような形になります。
そういう着き方をすると着地の衝撃が膝に集中してしまいます。
走っている時の着地の衝撃は体重の3〜5倍です。
また接地の足音が左右違います。
この違いは体重のかけ方の差です。
大きな音がする方は体重がかかっている時間が長くなります。
このように膝に大きなストレスが集中するような走りをしていれば痛みが出てしまっても仕方ありません。
脚を痛めないためには着地の衝撃が1箇所に集中しないよう体幹や脚に分散する必要があります。
そのための適切な接地は「足裏全体で地面に対して垂直に踏み込むイメージ」です。
この接地は衝撃が膝ではなく、お尻の付け根や太ももの裏側、腹筋に感じます。
そこで接地の改善するためにその場で「両足で軽く跳び上がる→着地」というのを繰り返しましたが接地した時に足音が2つ鳴ってしまいます。
両足の足裏全体できちんと接地すると音は“1つ”しか鳴りませんが綺麗に接地できないと複数の音がします。
しかも自分で跳び上がろうとするのでつま先から接地するようにになってしまい足裏全体できちんと着けていなかった。
動作のやり方を修正して両足できちんと着けるようになったら今度は片足でやるなどいろいろなバリエーションで行い着地のやり方を修正して走ってみると地面に垂直に踏み込む感覚で接地していくだけで身体がどんどん進んでいくようになった。
接地の音も左右同じ音がするようになりました。
そこから徐々にスピードを上げていきましたが、フラットに地面を踏み込むイメージだけで地面からの反動をうまく利用でき、楽に体が前に進むようになった。
着地の際に痛みを感じることなく走れるようになった。
走ると膝が痛くなると筋トレで太ももの筋肉を鍛えるという人が多いですが、筋肉を鍛えても膝の痛みを治すことはできません。
それよりも「走り方」を直す方が効果的です。