脚の筋肉を鍛えたいなら速く歩くよりもゆっくり走れば良い

走るというと筋力がないとできない、膝が痛めそう、一方でウォーキングはきつくないけどスタミナや脚の筋肉を鍛えられるというイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。
年齢と共に衰えが顕著なのは姿勢を保持する筋肉、膝や股関節の動きに関係する筋肉ですが、ウォーキングではそれらがあまり使われません。
大股で早歩きが一般的にはよく言われますが、きつい割に効率が悪くトレーニングとしてもあまり効果的とは言えません。

しかし、走るとそれらの筋肉が自然と刺激されます。
それは「走る」という動作の特性が関係します。
歩くと走るの違いというとスピードが違うくらいにしか思われないですが、“歩く”は片脚が必ず地面に着いていますが、“走る”は足は地面から離れた状態から接地する動作を繰り返します。ようは跳び続ける、弾み続けるということです。
走っている時の接地の衝撃は体重の3〜5倍です。
重いものを担いでスクワットなんてしなくても走るだけでそれと同じ、もしくはそれ以上の大きな刺激を与えられるということです。
健康で毎日元気に過ごすためには大きな力が出せる太い筋肉は必要ありませんから、それくらいの運動でも十分ということです。

ただし、それは「適切な走り方で行う」でという条件が付いてきます。
頑張ったり疲れるように走れば疲れます、腰や膝が痛くなるような走り方をすれば体のどこかが痛くなります。

適切な走り方はそんなに難しいことではありません。
一生懸命脚を使って走ろうとしたり、高く跳び上がろう、大きなストライドで走ろうと欲張り過ぎるようなことをしないで、“体が勝手に進んでいく”、“脚が勝手についてくる”という感覚、イメージで前に行くだけです。
そのために普段の立ち姿勢で体や脚にねじれがない状態にしておくことも大切ですが、必要なことは「体をゆるめる」ことですから、楽にスムーズに走るために難しいことは必要ない、“楽”にやればいいということです。

実際にトレーニングを見ている人も早歩きをするよりもゆっくり走る方が楽、気持ち良い、スムーズに体が進んでいくと感じて今までジョギングもしたことないのにやってみようと意欲が出てきた人もいます。
続けてみた結果は太ももの前の筋肉が柔らかくなり、脚の形も綺麗になりました。
走り方が良くなることで歩き姿勢も良くなり、立ち姿勢も良くなりました。
健康のためのランニングは外へ出ていかなくても家の中、短い距離でも十分ですし、そんなに長い時間やる必要もありません。
きつい筋トレだけが筋肉を作るためのトレーニングではないということです。