市民ランナーからのランニングフォームについての相談が多く来ます。
マラソンというと多くの人は、“長く”を先に考えてしまい、スタミナを付けようと長い距離を走るような練習ばかりしてしまいがちです。
長い距離を走ろうとすれば短い距離を走るよりもスピードはゆっくりになりますから、そういった練習をしてもランニングスピードは上がりませんし、ゆっくり長く走るスタミナを付けても速いスピードで走り続けるスタミナにはなりません。
マラソンでもタイムを縮めたいなら「速く長く走る」と考えないといけません。
タイムを縮めたいなら常に「速く動く練習」を意識的に行っていく必要があります。
そういうことでマラソンをする人でも走り方の指導では速く走るための動きのトレーニングは必要です。
動きのトレーニングの1つとして「腿上げ」の練習を行いますが、多くの人がこの動きを勘違いしています。
画像のように一生懸命太ももを上に持ち上げようとします。
ランニングスピードはピッチ(脚の回転)×ストライド(歩幅)で決まります。
スピードを上げるには脚の回転の速さは落とさないでストライドを1cmでも広げていくことが必要ですが、ストライドを大きくするというと歩幅を広げようとして脚を高く上げて前に大きく出そうとしますが、必要以上に腿を上げると動作のスピードが遅くなり脚の回転が遅くなってしまいます。
いくらストライドが伸びても脚の回転が遅くなってしまえばランニングスピードは遅くなってしまいます。
ただ腿を上げる練習をするのならしっかり上げればいいと思いますが、「走る動きに繋げるため」となるとどのようにやるかをよく考える必要があります。
腿は上には上がりません。
膝のお皿を前に出す、膝蹴りのようなイメージで動かすと自然と高くあがります。
脚の動かし方のイメージが変わるだけで脚の回転動作はスムーズになり、ストライドも自然に広がり同じように走っても楽に速く走れるようになります。
余計な力み、緊張もなく楽に速く走れるので脚の疲れも感じなくなります。
一生懸命脚で走る人に太ももの前やふくらはぎの筋肉が緊張でガチガチに硬くなっているという人が多いですが、こういう走り方だと走っても余計な力を使わないのでどんどん柔らかくなり弾力性が出てきます。
走るためのいろいろなトレーニングはありますが、結局は走る動作に繋がらなければ何の意味もないわけですから、そのためにどうやるのかをよく考えてみることが大事です。