どうして丁寧に説明してお手本も見せているのにあの人はスクワットがうまくできないの?

トレーニングをしっかりやっているムキムキな人がトレーニング初級者にエクササイズのやり方を教えてあげている光景をジムでよく見かけます。
なかでもスクワットの指導を多く目にします。

足腰が衰えないように、太ももを引き締めたい、ヒップアップしたスタイルにしたいなど女性でもいろいろな目的でスクワットにチャレンジする方が増えています。

しかし、スクワットはシンプルですが難しいエクササイズなのでトレーニングに慣れた人がやり方を丁寧に教えてあげるのですが、「膝はつま先よりも出さないでお尻を後ろに出すようにしゃがむんだよ。」と教えてあげますがその人はうまくできません。
すると、「違う、違う。こうやるんだよ。」と言って自分がやって見せますが、やはりその人はうまくできません。
すると、「体が硬いからかな。トレーニングの前にしっかりストレッチをしてもう少し足首が柔らかくなってきたらうまくできるようになるよ。」と言って指導が終わってしまい、結局スクワットはできないまま終わるというケースがほとんどです。

人に教える前に自分が思うスクワットができないと話になりませんが、自分ができることと人にうまく教えられるということは必ずしも一致しません。

多くの人がスクワットのフォームについてアドバイスしますが、良いフォームというのは「適切な手順、動作のやり方」でやった結果現れるものです。
だからフォームを意識させてもなかなかうまくいきません。

人間は1度に1つのことしか意識できないのに「膝はこう、お尻はこう」と2つのことを言うということは自然な動きから外れた動きを教えているわけですからうまくいくはずがありません。

また、自分がやって見せたところでその人にとっては“立っているところからしゃがむ”動作が難しいのですから、自分がやって見せたところで適切な動作のやり方のヒントにはなりません。

そして“足首が硬い”問題。
足首が硬いからしゃがめないという人は多いですが、足首を曲げたところでつま先が脛の骨にくっつくような可動性はもともとありません。
深くしゃがめないのは足首が硬いからではなく、「適切なしゃがむ手順」を知らないからできないだけです。

セッションでもほとんどの人にスクワットをやってもらいますが、適切な手順、動かし方を教えれば誰でもできます。
そもそもスクワットはしゃがんで立ち上がる動きで毎日イスに腰掛けたり立ち上がることで当たり前のようにやっています。
普段座っているイスの高さくらいの深さのスクワットならあれこれ難しいことを言わなくても当然できるはずです。

「できないように教えているからできないだけ、教えるとはできるようにすること。」
思ったような成果が見られない時にいつもこの言葉が頭の中に浮かびますが、うまくいかないのは相手のせいではなく“教える側”に問題があることがほとんどです。
教える側がきちんと教えてあげればできて当たり前というわけです。
だから常に自分の指導はどうだったのか振り返り、反省→修正→再トライの日々です。