筋肉を付けるとスピードが遅くなってしまうというのは本当なのか?

大きな筋肉をしているのに動きの遅い人がいるせいで「筋トレでつけた筋肉は競技に使えない」、「大きな負荷をかけるとゆっくりした動作しかできないからスピードは遅くなる」などと言われてます。

筋肉が発達しているのに動きの遅い人の問題は筋肉にあるのではなく、“動作が下手で力をうまく発揮できていない”だけです。
筋肉の能力を充分に生かせないから「使えない筋肉」、「筋肉がついてもスピードがつかないから筋トレは意味がない」と言われてしまうのです。

ゴルフ愛好家から「筋トレをして筋量は増えているのにスイングスピードが上がらない、スイングパワーが上がらない」といった相談を受けてトレーニングを見ていますが、筋トレのせいではなく動きに問題がありました。
力を入れて一生懸命クラブを振ろうとしていました。
頑張って振ろうと力んでしまうと動きの滑らかさがなくなってしまいます。

動きが下手なのは力みだけが問題ではありません。
スイング動作がスムーズにできない人にスイングの時に何を意識しているのか尋ねてみると、「膝を打ちに絞るように下から腰を回転させる」、「バックスイングの後はクラブを下に落とすように」など手や脚の動きを意識しています。
なかにはコーチからそうするように言われているケースもあります。

手や脚をどこでどうするとどうなるといったことを頭の中で考える、考えさせるとスムーズな動きはできません。
動き・動作を習得する場合に大切なことは、「こうしなければならない」、「このように動かさないといけない」というように「どこをどうしなければならない」といった意識を持たないことです。

動作が上手いのであれば筋力が高い方が発揮できるパワーは大きいに決まっています。
しかし、動作に問題があるのにいくら筋力を高めてもパワーは上がりません。
下手をすると下がってしまいます。
パワーは「筋力×スピード」で決まります。
筋力だけでなくスピードという要素が大きく関わってきます。

ゴルフスイングではヘッドスピードが肝心ということです。
スピードは加速的に上がっていきます。
そうなるとヘッドを加速させるためにクラブのヘッドとボールとの間に十分な加速距離を取る必要があります。
それには体幹の柔軟性が必要となります。

スイングのパワーを上げるためのトレーニングでは主に体幹の柔軟性を高めるエクササイズや体幹をスムーズに回転させる体の使い方のトレーニングを行いました。
体幹と腕の連動した柔軟性が高まり、さらにスムーズな回転できるようになることで
膝を内に絞るような動きも意識しなくても気持ち良く振って飛距離が伸びたり、以前よりも軽い力で同じくらいの飛距離が出るようになりました。

スポーツで筋トレは必要ないと言われることがありますが、身体をコントロールする能力が同じレベルであれば、筋力レベルが高い方がパフォーマンスは高くなりますし、同じ筋力レベルであれば身体のコントロール能力の高い方がパフォーマンスが高くなるとも考えられます。
どちらが重要かということは一概に言えません。

スポーツのトレーニングではこれだけやっておけばよいというものはありませんから、現時点でどちらを優先しなければならないのかということをよく考えて計画的にトレーニングを行うことが大切ということです。