「歩くと膝が痛くなるのは筋肉が衰えたから」は本当か?

膝が痛いという相談してくる人の多くが40代、50代の方です。
膝に長期間に渡ってストレスをかけてきたということでしょう。

ですが、40代、50代は年齢的に筋力の衰えを痛感し始める頃でもあるので、どこかが痛くなると筋力の衰えだと思い込んでしまって一生懸命筋トレに励みます。

しかし、歩くと膝が痛くなるというのは『歩き方』に問題があるからです。
テレビなどで、「脚の筋肉を鍛えるために大股で歩きましょう」とよく言っていますが、大股で歩くとほとんどの人が脚を大きく前に出そうとします。
脚が体より前に出ると着地は自然と踵からになってしまいます。
実際にやってみるとわかりますが、そういう動作は膝に負担をかけます。

また、脚を前に出すとブレーキをかけてしまいます。
こけそうになっても脚を前に出ることでつっぱり棒のような働きをして体が倒れるのを止めてくれます。
歩く時も脚を体よりも前に出してしまえば、一歩ずつブレーキをかけながら歩いていることと同じです。
ブレーキ動作は筋肉に大きなストレスをかけます。

脚の出し方と着地のダブルで太ももや膝に負担をかけるような動作を長く続けていれば、筋肉や関節もいつかは限界を迎え、やがて痛みが起こります。

歩くと痛むひざ痛を良くするには、そんな歩き方をやめることだけです。
『脚は体の前に出ないようにして、接地は足裏全体でフラットに行う』
たったこれだけで痛みは出なくなります。
ただ、これを意識してやってもうまくはいきません。
そのためのポイントがあります。
それをやれば脚の使い方を意識しなくても簡単に動きを直せます。

意識は筋肉の緊張を引き起こし、動きのスムーズさを失わせます。
大切なところを無意識にするために、それ以外のところに意識を置くということです。