「走る時の腕振りは肩甲骨から意識して引くように動かすのが正しい」は本当か?

そんな腕振りをやったところで速く走れるようにはならないでしょう。
世界大会の短距離の決勝で腕を引くように振っている選手はいません。
長距離にしても最後の一周まではリズムを取るために体の近くに置いて楽に動かしていますが、ラスト一周の走りはまるでスプリンターのようです。

腕は肩からぶら下がっていますから、基本的には“振り子”の動きになります。
肩甲骨を大きく動かそうとすると余計な力が入って肩が横に振れてしまいます。
ランニング動作でのエネルギーロスは肩が横に振れることですから速く走ろうとした時にはマイナスに働いてしまいます。

腕を勢いよく前に振ると腕に引っ張られるように体が前に進みます。
ストライドを広げたければ腕は前に振るということです。

ただし、これは100mのような短距離やラストスパートの時の話です。
長距離走で最初からこんな腕振りをしていると首筋や肩の筋肉が疲れて硬くなってしまいます。
筋肉の硬さは全身に波及していき、脚の動きまで硬くなってしまいます。
長距離走のような時は一生懸命振らずに体の近くに置いてリズムを取るために使うくらいで十分です。

重心の位置を高くして、それをスムーズに前に移動させていくようなイメージで体を進めていき、適切な接地をしていけば自然に弾むような走りになってきます。
その弾みを利用すればストライドも自然に伸びます。

意識的にやることがマイナスに働くということはよくあります。
自然な体の動きというものを理解しておくことも大切なことです。

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