立ったり歩くのが辛いと感じると筋肉の衰えだと思って筋肉を鍛えなければいけないと勘違いします。
医者や運動指導者も「筋肉を鍛えましょう」なんて簡単に言うから余計に鍛えないといけないという発想に陥ってしまいます。
ほとんどの人はそうして筋トレを始めるわけですが、筋肉は運動不足が原因で萎んで硬くなっているのに大きな力なんて出るはずもありません。
「筋力」というのは筋肉が出す力のことです。
基本的には筋肉が伸び縮みすることで力が出ます。
伸び縮みが小さいよりは大きい方が大きな力が出ますし、スピードが遅いよりと速い方が大きな力が出ます。
そういう理屈で考えてみると運動不足で萎んで硬くなっている筋肉でいくら頑張ったところで大きな力が出るはずがないということがわかるのではないでしょうか。
運動不足の人に本当に必要なことは筋力をアップさせることではなく、「柔軟性をアップさせる」です。
そのために必要なのは筋肉を柔らかくするトレーニングです。
筋肉を柔らかくするというとストレッチングで筋肉を伸ばすというのが一般的ですが、ストレッチングは筋肉を長くすることはできても筋肉の伸び縮み大きく素早くということはできません。
その1つが体操です。体操は手脚や胴体を動かし筋肉を伸び縮みさせます。
何度も繰り返すことで徐々に大きく伸び縮みさせられるようになって筋肉が柔らかくなるだけでなく関節もスムーズに動くようになります。
筋力不足だから筋トレをしないといけないと思って相談に来る人にもまず体操で全身の固まっている筋肉を柔らかくしていきますが、体が柔らかくなるだけで立ったり歩いたりするのが軽くなってしまいます。
筋肉が硬いときには重いと感じていた重さのダンベルでスクワットのようなエクササイズをやってみても筋肉を柔らかくした後には楽にできるようになります。
ゴルフをしているクライアントもいますが、きつい筋トレなんてしなくても筋肉が柔らかくするだけでトレーニング直後にボールを打ってみても短時間でパワーが上がると仰います。
運動不足の人に必要なのは筋肉を鍛えることよりも体を緩めて自分の持っている力をしっかり発揮できるようにすることです。
そのために必要なのは筋力アップではなく柔軟性のアップです。