筋肉を緩めることと腰痛の関係

「腰痛には腹筋を鍛えるのがいい、いいや体幹だ」そんな話が一般的に言われます。
姿勢を保持するという点では必要かもしれませんが、重要なことは他にあると思っています。
それが「体を緩めること」です。

「体を緩める」とはどういうことなの?体を緩めたら力が入らなくなってちゃんと立てないんじゃないの?とよく言われます。

身体を緩めるというのはふにゃふにゃな体ということではありません。
人間には骨があります。
緩んだ体というのは頭から足までの骨を真っ直ぐに重ね、それをわずかな筋力で支えること、つまり「骨だけで垂直に立てるようにする」ということです。

腰痛になる方のほとんどは、姿勢や体のバランスが崩れてしまっていて骨組みがきちんと垂直に配列されていません。
そのため、立つために大きな筋力が必要になっています。
そんな状態で立っていますから筋肉は緊張でどんどん硬くなってしまいます。
結果的に腰の筋肉を使い過ぎて腰痛が起こってしまいます。

そんな状態で腹筋だ体幹だと筋肉に負荷をかけて鍛えて骨組みを整えることができるでしょうか?
筋肉を鍛えてバランスを整えるというのはかなり高度なトレーニングの理解が必要です。
その上、腹筋や体幹という一部分だけの筋肉を鍛えるというようなことでは全体の崩れを直すことはできません。
つまり、根本的には何も解決しないということです。
それを解決するのが、「体を緩める」ということです。

筋肉を柔らかくする方法というと、普通はストレッチングで硬い筋肉を伸ばすくらいしか思い浮かばないでしょう。
しかし、筋肉を緩めるというのはただ縮んだ筋肉を伸ばすだけのことではありません。
さすったり、揺らしたり、呼吸したり、時にはあえて筋肉を使って筋肉の長さを戻すだけでなく、血流やリンパといった体液や酸素の取り込みも良くして縮んで硬くなっている筋肉はもちろん、弛んでしまっている筋肉も弾力のある筋肉に戻します。

筋肉の使い過ぎで腰や背中、お尻の筋肉が鉄板のように硬くなってしまっているせいで起こった腰痛に悩んでいる方のトレーニングを見ていますが、半年くらいで弾力のある柔らかい筋肉になりました。
筋肉の柔らかさが戻ってくると腰の強い痛みが徐々に軽くなり、今では痛みを気にすることもなくなりました。

腹筋や体幹「だけ」を鍛えるようなトレーニングはやっていません。
全身を動かして硬くなっている筋肉を伸び縮みが大きくできる柔軟性、血流や酸素の取り込みを良くしていくようなトレーニングを行っただけです。
トレーニングをすることで弾力のある柔らかい筋肉になっただけでなく、腰が丸くなり、脚も真っ直ぐに伸ばして立てないような猫背だったのが今では楽に真っ直ぐ立てるようになり、腰痛が良くなっていったというわけです。

姿勢や体のバランス、骨格を整えるには筋肉を鍛えるよりも緩める方が短時間で効率良く結果が出ます。
体を緩めるメリットはたくさんあるということです。