体幹ランニングをすると腰が痛くなるのは体幹が弱いせい?

最近は何かにつけて“体幹”という言葉を目にします。
ランニングにしてもフォームが良かったり、パフォーマンスが良いと「体幹が強い」などと言います。
その影響もあって市民ランナーから体幹に関する相談がよく来ます。

先日、「本でランニングでは体幹をしっかり意識して走ることが大切だというのを読んで、それを意識して走るようにしているのですが、体幹を意識して走っていると腰が痛くなるんです。
筋トレはほとんどやらないから体幹が弱区なってしまっているからでしょうか?」という相談が来ました。

体幹を固め、立っている時のように背筋をピンと伸ばして走ることを体幹が強いと勘違いしている人が多く、そういった体幹を意識したランニングをして腰が痛くなるのは腹筋や体幹が弱いからだと言うような人もいますが、普通に考えてみれば走る時に背筋を真っ直ぐに伸ばした姿勢を作ること自体に無理があるということがわかります。
ランニングは体を前に進めていくわけですから体は自然と前に倒した方が楽に進みます。
それをわざわざ後ろに反らせて走るわけですから腰には大きな負担がかかります。
スピードが上がれば腰の負担はますます大きくなります。

つまり、今回の腰痛の原因は「勘違いした体幹ランニングをしたせい」ということになります。

問題を解決するにはランニングフォームを修正することになります。
走るというのは“移動手段”です。
背筋を真っ直ぐ伸ばしても体は前に進みませんが上体を前に進めていくと体は自然と前に傾きます。
手脚も特別意識しなくても勝手に動きます。

弾みを利用したスムーズなランニングをすると自然とランニング姿勢も良くなりますし、腹筋やお尻の付け根を使っていることを感じます。
しかし走っていても腰が痛くなることはありません。
気持ち良さ、太ももの前の筋肉が柔らかくなって脚が軽くなった感じがわかったようでした。

ランニング初心者は完璧なフォームを求めてしまいがちですが、そんなことよりもリラックスして走ること、気持ち良く走る感覚を身につけることの方がもっと大切です。
そのようなランニングをしていれば自然と良いフォームも身についています。