階段を昇ろうとしても腿が上がらないので大変だというと普通は筋肉を衰えたと考えて太ももの筋肉を鍛えようとします。
しかし、筋肉を大きくする、強くするというのは短時間ではできません。
太ももの筋肉を大きく強くして腿を高く上げられるようにするというのは効率の悪い方法です。
太ももの筋肉で脚を上げようとするから大変なんです。
それなら発想を変えて、重い脚をいかに楽に上げるかを考えてみれば短時間で腿が上げやすくなります。
膝が痛くて階段を昇る時に腿を上げるのが辛いという相談がきました。
階段の昇り方を見ても太ももの前の筋肉ばかりで体を上に持ち上げるような昇り方をしていました。
そんな昇り方をしていれば膝が痛くなっても仕方ありませんし、腿を高く上げるのも大変です。
硬くなっている全身の筋肉を体操で簡単に緩めて姿勢や体のバランスを整えると脚を真っ直ぐに伸ばして立てるようにして歩いたり、しゃがんで立ち上がっても膝の痛みが起こらなくなりました。
それから足踏みをしてみました。
何も言わずにその場でやってみていただくと腿が全然上がっていませんでした。
そこで腕は肩の高さくらいまで楽に上げながら足裏全体で大きな音を鳴らしながら足踏みをすることを意識してやっていただきました。
着地の音がしっかり鳴るようになるに従って腿は楽に上がるようになり、徐々に高さも増えて腰の高さくらいまで上がるようになりました。
意識して腿を上げているのではなく、自然に高く上がるのでご本人も「全然力を入れていないのに脚が楽に上がる」と驚いていました。
それから改めて階段の昇りをしてみると腿は楽に上がり、体も足で踏み込んだ反動で楽に上がるようになったので全く辛さがなかったようです。
何かができないとすぐに筋肉の衰えだと筋力強化をさせようとしますが、太ももが強くなることと階段が楽に上がれるようになるかどうかは違う話です。
腿が上がらないなら楽に上がるような体の使い方ができているかを見てみることです。
筋トレをするならそれからでも十分です。