「テレビで言っていた正しい歩き方で歩いたのに膝が痛くなりました」という相談

長時間歩くと膝が痛くなるといった相談がきました。
歩くと不調が起こるということは歩き方に問題があるわけですが、膝が痛いという人は膝が痛いように、ふくらはぎが辛くなるような歩き方をしています。

歩くという動作は体を前に進めていくだけですから、特に難しい動作ではありませんが、「肘を曲げて肩甲骨から引くように腕を振る」、「脚は大股で踵から着地して親指で地面をしっかり蹴る」、「1本の線の上を歩くように」など、テレビや本、ネットなどでいろいろな情報をインプットしてしまうと腕や脚の自然な動きを忘れてしまうため、スムーズな歩き方ができなくなってしまいます。

歩き方を見ても脚を棒のように使っていて関節がスムーズに動いていないようでした。
そこで簡単な体操で全身の硬くなっている筋肉を解しました。
体がスムーズに動くようになり硬くなっていた筋肉が解れると姿勢も自然と良くなりました。

次に「足踏み」を行いました。
腕は肩の高さ、腿は膝の高さまで上げてその場で足踏みをするだけの単純なものですが、歩行姿勢が悪い人はその場で足踏みを続けることができません。

行ってみると脚を高く上げようとすると太ももの筋肉が緊張してしまうために着地がつま先からになってしまい、太ももに余計な力が入るので体は後ろに反り返ったような姿勢になってしまうので着地の音も小さく、音も2つ鳴ってしまっていました。
良い音で1回で綺麗に着地するには足裏全体でフラットに着地する必要があります。
そういった意識で足踏みを改めて行ってみると足裏全体でしっかりと踏み込めるようになって着地も1回で綺麗に決まるようになって着地の衝撃も膝ではなく脚全体で受けられるようになりました。
着地音もしっかりとした音が鳴るようになりました。
着地の反動が上手く使えるようになって太ももが楽に上げられるようになりました。

それから改めて歩いてみると膝は楽に前に出るようになり、着地は足裏全体で着くようになり棒のように硬かった脚の運びもスムーズになりました。
太ももの余計な緊張もなくなって膝の痛みも気にならなくなったようでした。

足踏みは簡単なようで意外と難しいですがスムーズな歩き方を身につけるために効果的な手段です。