体操も立派な筋トレです

ジムでトレーニングをしている人を見ると、みんな筋トレ、筋トレ。
悪い姿勢、硬い筋肉の状態で重りをたくさんつけて筋肉がもっと緊張するようなトレーニングばかり。
ちょっと身体のバランスをチェックするために片足立ちになってみるとグラグラ・・・
できない理由は「体幹が弱いから」、「筋力がないから」と筋肉の衰えだと勘違いしています。
猫背気味の姿勢、脚も真っ直ぐに伸ばせず両足で地面に対してきちんと立てていないのに片足立ちのような不安定な姿勢で安定するわけがありません。

それに、筋肉をつけるため、筋力をアップさせるためのトレーニングはきついことをしないといけません。
きついことを続けることは大変です。続かないのは普通のことです。
また、トレーニングプログラムを自分で考えなければいけないわけですが、普通の人が持っているのは本やネットに載ってあること、誰かが言っていたことのコピーです。
目的や1人1人の個別性なんてほとんど無視した誰かが良くなったプログラムです。
だから結果が出なくても当たり前です。

ですが、筋肉を柔らかくするトレーニングをしていると簡単にできるようになってしまいます。
先日のトレーニングでクライアントさんが「今までフラフラしながらズボンを履いていたのに、最近は立ったままでスッと履けるようになったんです。」と喜んでいました。

まだトレーニングを始めたばかりですが、以前より筋肉も動作も柔らかくなってきました。
前屈も手が床に届かなかったのに楽々できるようになりました。
後ろに反らせたりしても腰の痛みを感じることもなく楽々できています。
左右に身体を倒したり、左右に身体を捻っても左右差は少なくなってきています。
猫背気味だった姿勢も自然に胸が張れ、背筋が伸びている良い姿勢になり、以前はうつむきがちで視線が狭かったのが視界が広がったように感じられるようになったそうです。

身体を動かしても、少し歩くだけですぐに疲れてしまって足腰の筋肉の衰えを感じていたそうですが、硬かった筋肉が柔らかくなって日常生活では以前よりも身軽に身体が動かせるようになったそうです。

それなりに重さがある自分の身体を楽々動かせるようになったということは、以前よりも筋力がアップしたと言うこともできます。
しかし、実際のトレーニングでは重りをたくさんつけるようなハードなトレーニングはほとんどやっていません。

やっているのは『体操』です。
ほとんどの人は体操というと、身体を温める程度の運動くらいのイメージでしょうが、実際はこの体操で身体を楽々動かすことができるようになったのです。
筋肉を大きくしたり、強くすることはできませんが、今持っている筋肉をちゃんと使えるようにできるようにすることは、体操も立派な筋トレなんです。

しかも、この体操は筋肉を緩めて筋肉の伸び縮みの動きが大きくできるようにすることが目的ですから、筋肉が硬くならないところ、余計な力みが出ない範囲で全身を動かしていけば良いので辛くありません

辛いことをすると筋肉が緊張してしまいますから緩めるという目的には合いません。
リラックスして、気持ち良く全身を繋げて動かすだけで良いので本当に楽です。
それでいて終わった後は筋肉が柔らかくなって姿勢や身体のバランスも良くなります。
身体も軽くなりますし、小さな力で手脚を動かすためのパワーが出るようになるので歩いたり、階段を昇り降りするのも楽になります。

普通の人が元気に健康的な毎日を過ごすためにそれほど大きな筋肉は必要ありません。
日常で10kgも20kgもするような重たいものを上げ下げする機会が何回あるかということを考えるとそれほど強い筋力も必要ないでしょう。(強い筋力がなくても重たいものを楽に持ち上げるための持ち上げ方、反動の使い方を知っておけばそれくらいなら簡単に挙げられるようになりますし)
最低でも自分の身体や手脚を楽々動かせるだけの力、筋肉があれば十分です。
そう考えるといきなりハードな筋トレからスタートしないといけないわけではないと思います。
もし筋力が必要だと思うことがあってもそれから筋トレを始めても十分間に合います。

そういった意味でも身体が硬い、姿勢が悪い人は目的に合わない筋トレをやるよりも体操できちんと筋肉や身体を柔らかくすることの方が大事です。