#69 シニアの体力トレーニングについて学んできました

定例勉強会に参加するために大阪へ行ってきました。
今回のテーマは、『シニアの体力トレーニング』でした。

一般の方はどこまでのコンディショニングの機能が必要か?

コンディショニングというと、筋力、持久力、柔軟性、調整力などの要素、機能を整えることですが、一般の方のケースではどこまでのものが必要かをよく考えてみる必要があります。

一般の方に必要なのは日常生活を楽々と過ごせるカラダですから、筋力を強化する必要があるのかを考えてみる必要があります。
自分の体重よりも重いものを持ち上げる脚力を鍛える必要があるのか?
腕の力を考えみても20kgのベンチプレスをやって押す力を鍛える必要があるのか?
日常で何十kgの重さの荷物を持ち上げたり、運ぶようなこともないのに大きな負荷をかけたデッドリフトで鍛える必要があるのか?

持久力を考えてみてもずっと走り続けたり、1kmを何分で走れるというような心肺持久力は特別必要ありません。

筋力は起き上がる時のようなプッシュアップで自体重を支えることができるくらいは必要ですがあとは自分の身体を楽々動かせるだけの筋力が最低限あれば日常生活は十分ですし、持久力は心肺持久力よりもずっと立っていられる、歩き続けられる、階段の昇り降りができる筋持久力の方が必要になってきます。

シニアに必要なのは柔軟性

特別大きな筋肉、力強さが必要ないシニアにとって必要なのは“柔軟性”です。

その中でも靴下を履く時に上体をかがめられる腰の柔軟性、上にある荷物を取る時に手を伸ばすことのできる柔軟性です。
それには胸郭を広げることが重要です。

身体全体の柔軟性を改善するための方法として今回は全身のラインを緩めて身体を整える『操体法』を応用したものを行いました。
人間ができる基本の動きである、屈曲-伸展、左右の側屈、左右の回旋動作に加え、伸ばす、歩行という動作を指導する側がリズムをとりながら動きを誘導し、それに呼吸を付けて繰り返します。
余計な力を入れず、小さな動きからリラックスして動き続け全ての動作を行った後に身体を動かしてみると筋のポンプ作用によって萎んだ筋肉、パンパンに張った筋肉が膨らんで柔らかくなったことで楽々行うことができました。
これは回数やセット数を調整することでトレーニングとしても活用できるので筋肉のないシニアのためのトレーニングとしては効果的なものになりそうです。

さらに三軸の考え方(身体の中心に鉛直方向の刺激を与えると身体が安定する)を応用し、重心の位置を安定させて身体のバランスを保てるようにするために小さなバウンドを100回程度繰り返してみました。
たったそれだけで立った時の感覚が変わり、シャキッと立てていることを感じることができました。

胸郭を広げるうえでは呼吸も大切です。
筋肉が萎み、身体が硬くなっていると呼吸も浅くなりがちです。
常に新鮮な酸素を取り入れるために呼吸が大きく行えるということは重要なことです。

そこで胸、肋骨、腹部の動きを引き出す呼吸をサポートを入れながら行いました。
簡単なサポートなのに動きをしっかりと引き出すことができ、呼吸も大きくなり胸郭が広がったことを感じることができました。

さらに呼吸と手脚を伸ばす動きを合わせて行うと体幹が柔らかくなり上半身の前・後面の筋肉が緩んでしまいました。
お腹から伸びる動きをやることでウエストが引き締まったような感じもありました。

きちんと身体を緩められていないから姿勢が直らない

心肺持久力はそれほど必要なくても自然体のカラダで立てていない、歩き方に問題があれば腰に違和感を感じたり、膝に痛みが起こって長く歩き続けることはできません。
そうなると身体を整えることが必要になりますので、身体調整のテクニックの見直しも行いました。

下肢の調整は何度も行っていますが、簡単そうでなかなかきちんと行えません。
今回は少人数だったのでテクニックをしっかり修正していただきましたが、相手の脚を持ち上げるのか自分の方へ引き寄せるようにするのかによって筋肉の緊張感が全く違うこと、下肢の調整に入る前に股関節の内外旋の動きに硬さがないかチェックしてみることなど新たな気づきもありました。
小さなことですがそれだけでも結果は全く違い、調整後は脚が真っ直ぐ伸ばせるようになります。

また、猫背がひどく頭の位置を上手く修正できないケースを質問として出しましたが、結局のところ頭の位置が直らないのは後頭間椎関節の動きが悪いだけが原因ではなく、脊柱が良い状態に安定できていないからでした。

姿勢を改善していくためのアプローチとして骨盤、仙骨、坐骨、仙腸関節を動かして坐骨にきちんと乗って座れるようにする骨盤の調整テクニック、ひどい猫背のために筋肉も硬くなってしまっていて萎んでしまった胸郭を広げるための摩りと呼吸を応用した調整テクニック、筋肉が硬くなっていることで動きが小さくなってしまった後頭間椎関節の動きを引き出すために皮膚を誘導するテクニックもアドバイスしていただきました。

実際に先生にそれらのアプローチやテクニックを使って調整していただきましたが胸郭は動かしやすくなって身体が柔らかくなりましたし、皮膚を誘導されるだけで首の屈曲ー伸展、回旋動作がやりやすくなりました。

筋肉を膨らませるトレーニングで息を吸う局面で上手く相手の緊張を抜かせることができなかったのでサポートのやり方について質問をしましたが、まずは操体法を呼吸に合わせて力を入れずに行うことができるようになることで上手くできなかった動きも緊張しないでできるようになるのではないかとアドバイスをいただきましたので、さっそくトライしてみようと思います。