一流アスリートの身体と基礎体力の高さに驚かされました。

テレビではトップアスリートを見ることがあっても実際にお目にかかる機会はほとんどありませんが、地方巡業で来ていた関脇豪風関と横綱白鵬関のトレーニングの様子を間近で見る機会に恵まれました。

相撲というとたくさん食べて身体を大きくするようなイメージが強いですが、身体は大きいですが決して脂肪ばかりの身体ではありません。

いくら身体が大きくても動きが遅ければ大きなパワーは出ません。
動きが遅いパワーと動きが速いパワーを比べればスピードの速いパワーの方が大きなパワーに繋がります。
競技においては“スピード”という要素が大事です。

むやみに体重を増やすことばかり考えて急激に体重を増加させても怪我が増えたり、スムーズな動きを失ってしまうおそれも出てきますので注意しないといけません。

いくらスピードが速くても筋力が小さくては大きなパワーを発揮することはできませんから最大筋力を伸ばすことも必要になってきます。
ですから専門的なトレーニングである“稽古”ばかりでなく基礎体力を伸ばすために“基礎トレーニング”にもしっかり取り組むことも大切なことです。

白鵬関は身長も高いですが、身体の厚みもあり全身バランス良く筋肉がついています。
首の筋肉や大胸筋や腹筋ももちろん凄いですが背筋やお尻、太ももの裏の筋肉といった身体の後面の筋肉の厚みがが凄かったです。
それでいて筋肉には弾力性がある、まさにアスリートの身体です。

トレーニングもバランスボールを使ったり、うつ伏せでじっとするような体幹トレーニングなどは一切行わずベンチプレスにスクワットといったベーシックなエクササイズを高重量を軽々持ち上げていました。
実際の取組では身体をぶつけたり、不安定な状態で踏ん張る局面がありますが、だからといって変わったことをするわけではなく、両足をきちんと着いた状態でしっかり力を出していくことが体幹の強さに繋がるということなのでしょう。
最近は情報が簡単に手に入る時代なので筋トレでつけた筋肉は競技には活きないとか機能性だとか体幹だと細かい部分ばかりに目が行ってしまいがちですが、細かいことを言う前に高重量のベンチプレスやスクワットを楽々挙げられる基礎筋力という全体的なことを高めましょうということです。

筋力ももちろん凄いですが、やはり一般の人と違うのは“柔軟性”です。
あれだけ大きな身体をしていても股割りではきれいにしゃがみます。
アルファベットの『M』のように背骨はきちんと立てた状態でもお尻を1番低いところまで楽々沈みこませます。

スクワットも高重量を担ぎながら1番底までお尻を沈めていきます。
一般の人にも筋力向上だけでなく柔軟性の改善を目的としてスクワットは行っていただきますが膝と同じ高さまで沈めるのも一苦労といった人がほとんどです。
沈めたとしてもきちんと背骨を立ててできる人はほとんどいません。

楽に沈むための股関節の柔軟性、動きの柔軟性、使い方は大変参考になりました。
肩甲骨の動きも素晴らしくウォーミングアップでは楽々と動かしていました。

全国を回りながら取組を行うハードなスケジュールにも関わらず巡業の前日でも完全安静をするのではなく、アクティブに身体を動かしてコンディションを整えるというのは身体をほとんど動かすことがないのに休日には安静ばかりとっている現代人にとっては参考にするべきところも多いように思います。